イザヤ 58章
わたしの選ぶ断食とはこれではないか。
悪による束縛を断ち、軛の結び目をほどいて
虐げられた人を解放し、軛をことごとく折ること。
更に、飢えた人にあなたのパンを裂き与え
さまよう貧しい人を家に招き入れ
裸の人に会えば衣を着せかけ
同胞に助けを惜しまないこと。 イザヤ書 58章6節~7節
愛と真実で行動する
イザヤ 59章
これは、わたしが彼らと結ぶ契約であると
主は言われる。
あなたの上にあるわたしの霊
あなたの口においたわたしの言葉は
あなたの口からも、あなたの子孫の口からも
あなたの子孫の子孫の口からも
今も、そしてとこしえに
離れることはない、と主は言われる。 イザヤ書 59章21節
神の介入による救い
神と神の民の破れた関係を描いている最後の部分に入ります。救いを妨げているものは、神の側にあるのではなく、神の民が反省せず、神を畏れないことにあります。罪は個人的なことにとどまらず、社会生活にも影響を…
マタイ 21-29節
「そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。…」
イエスがこれらの言葉を語り終えられると、群衆はその教えに非常に驚いた。彼らの律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。 マタイによる福音書 7章24節~29節
主と共にある冒険
主イエスが語られる「岩」は、私たちの持つ普通のイメージを越えています。 御言葉に信頼して一歩踏み出そうとするとき、「揺れ」を感じるかもしれません。陸地から、湖に浮かぶ小舟に足を乗せるときのような。しか…
イザヤ 60章
起きよ、光を放て。
あなたを照らす光は昇り
主の栄光はあなたの上に輝く。
見よ、闇は地を覆い
暗黒が国々を包んでいる。
しかし、あなたの上には主が輝き出で
主の栄光があなたの上に現れる。 イザヤ書 60章1節~2節
恵みの光を反射する
60章から62章まで、破壊されていたエルサレムの回復が述べられています。あくまで未来における終末的預言として語られますが、神の民は、既にこの一部を味わうものとされています。 本日の箇所は、本来、囚われ人で…
イザヤ 61章
主はわたしに油を注ぎ
主なる神の霊がわたしをとらえた。
わたしを遣わして
貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。
打ち砕かれた心を包み
捕らわれ人には自由を
つながれている人には解放を告知させるために。 イザヤ書 61章1節
神の良い知らせ
60章に引き続いてエルサレムの終末的回復が語られている箇所です。キリストがナザレの会堂で、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と宣言されたものでもあります(ルカ4章21節)。 語…
イザヤ 62章
諸国の民はあなたの正しさを見
王はすべて、あなたの栄光を仰ぐ。
主の口が定めた新しい名をもって
あなたは呼ばれるであろう。
あなたは主の御手の中で輝かしい冠となり
あなたの神の御手の中で王冠となる。 イザヤ書 62章2節~3節
新しい名が与えられる
神の都であるエルサレムの終末的回復を語る最後の部分です。この御言葉が語る状況について、シオンと呼ばれるエルサレムが「輝かしい冠とな」るとは、とても想像できる状態ではありませんでした。しかし、神はこの…
イザヤ 63章
主は言われた
彼らはわたしの民、偽りのない子らである、と。
そして主は彼らの救い主となられた。
彼らの苦難を常に御自分の苦難とし
御前に仕える御使いによって彼らを救い
愛と憐れみをもって彼らを贖い
昔から常に
彼らを負い、彼らを担ってくださった。 イザヤ書 63章8節~9節
神を求める祈り
63章7節からイザヤ書の締めくくりの部分が始まります。64章までは神に嘆き訴える共同体の祈りであると言うことができます。再び現実に引き戻され、数多くの恵みと慈しみを与えてくださった力強い神が、自分たちから…
イザヤ 64章
しかし、主よ、あなたは我らの父。
わたしたちは粘土、あなたは陶工
わたしたちは皆、あなたの御手の業。
どうか主が、激しく怒られることなく
いつまでも悪に心を留められることなく
あなたの民であるわたしたちすべてに
目を留めてくださるように。 イザヤ書 64章7節~8節
父のもとに帰ろう
63章の7節から「神に嘆き訴える共同体の祈り」が始まり、この章の終わりまで続きます。イスラエルが陥っていた罪のゆえに、誰も神を呼ばなくなり、神ご自身も顔を隠しているかのように思われました。 このような中…
イザヤ 65章
見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。
初めからのことを思い起こす者はない。
それはだれの心にも上ることはない。
代々とこしえに喜び楽しみ、喜び躍れ。
わたしは創造する。
見よ、わたしはエルサレムを喜び躍るものとして
その民を喜び楽しむものとして、創造する。 イザヤ書 65章17節~18節
喜び楽しむ神の民
「神に嘆き訴える共同体の祈り」に答える言葉が、イザヤ書最後の2章です。65章の前半では神に従わない者への審判が告げられ、敬虔な人に対する祝福も語られています。後半では終わりの日の回復が語られ、17節以下は…
マタイ 9章9-13,18-26節
ある指導者がそばに来て、ひれ伏して言った。「わたしの娘がたったいま死にました。でも、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、生き返るでしょう。」そこで、イエスは立ち上がり、彼について行かれた。 マタイによる福音書 9章18節~19節
イエスは立ち上がり
年齢も境遇も違う二人の女性。一人は長く病気に苦しむ孤独なひと。もう一人は人望の厚い父親に愛されている少女。しかし二人は、不安と絶望のうちにあることにおいて結ばれています。主は、彼女たちを癒やしてくだ…
イザヤ 66章
彼らはあなたたちのすべての兄弟を主への献げ物として、馬、車、駕籠、らば、らくだに載せ、あらゆる国民の間からわたしの聖なる山エルサレムに連れて来る、と主は言われる。それは、イスラエルの子らが献げ物を清い器に入れて、主の神殿にもたらすのと同じである、と主は言われる。 イザヤ書 66章20節
皆が一つとなって
イザヤ書の最終章を迎えました。「神に嘆き訴える共同体の祈り」に対する神の答えの残りの部分です。終わりの日にもたらされる回復が、従わない者への審判と共に語られています。 神は全世界からご自分の民を集めら…
テトス 1章
あなたをクレタに残してきたのは、わたしが指示しておいたように、残っている仕事を整理し、町ごとに長老たちを立ててもらうためです。 テトスへの手紙 1章5節
長老の資格
パウロはテトスをクレタ島に残し、町ごとに長老を立てるよう命じています。 私たち「日本キリスト改革派教会」も、長老が教会を治める働きを担います。長老は会員の選挙で選ばれます。教会に牧師を招く場合も同様に…
テトス 2章
その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。 テトスへの手紙 2章12節~13節
信じることと生きること
パウロは1章16節で、「神を知っていると公言しながら、行いではそれを否定している」人々がいることを指摘しました。それでは本当の意味で神を知り、キリストを信じているとは言えないからです。ここでパウロは、そ…
テトス 3章
愚かな議論、系図の詮索、争い、律法についての論議を避けなさい。それは無益で、むなしいものだからです。分裂を引き起こす人には一、二度訓戒し、従わなければ、かかわりを持たないようにしなさい。 テトスへの手紙 3章9節~10節
一致を保つように
パウロは、分裂を引き起こす人に対して、厳しい態度で接するよう命じています。 実際、教会が分裂するならば、それは単に人間同士の仲違いでは終わりません。教会の分裂とは、キリストの体が痛み、傷つき、血を流す…
詩編 1編
いかに幸いなことか
神に逆らう者の計らいに従って歩まず
罪ある者の道にとどまらず
傲慢な者と共に座らず
主の教えを愛し
その教えを昼も夜も口ずさむ人。 詩編 1編1節~2節
幸いな人
この詩人は、「いかに幸いなことか、神に逆らう者の計らいに従って歩まず、罪ある者の道にとどまらず、傲慢な者と共に座ら」ない人は、と言います。誘惑の多いこの世にあって、たとえ誘惑に負けそうになっても、決…
詩編 2編
すべての王よ、今や目覚めよ。
地を治める者よ、諭しを受けよ。
畏れ敬って、主に仕え
おののきつつ、喜び躍れ。
子に口づけせよ
主の憤りを招き、道を失うことのないように。
主の怒りはまたたくまに燃え上がる。
いかに幸いなことか、主を避けどころとする人はすべて。 詩編 2編10節~12節
身を横たえて眠る
新約時代を生きる私たちは、イエス・キリストを指し示すものとして、この詩を読むことができます。地上の王たちは、「主の油注がれた方」(メシア、救い主)に逆らい、その主権を奪い取ろうとします。しかし、神は…
マタイ 9章35節-10章8節
十二使徒の名は次のとおりである。まずペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレ、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、フィリポとバルトロマイ、トマスと徴税人のマタイ、アルファイの子ヤコブとタダイ、熱心党のシモン、それにイエスを裏切ったイスカリオテのユダである。 マタイによる福音書 10章2節~4節
主イエスに呼ばれる
主イエスに召し出された12人の名簿は示唆に富んでいます。まずペトロの名が挙げられ、彼の兄弟アンデレの名、さらに2組の兄弟たちの名が出てきます。それからマタイの名が「徴税人」の肩書き付きで記され、同じよう…
詩編 3編
身を横たえて眠り
わたしはまた、目覚めます。
主が支えていてくださいます。
いかに多くの民に包囲されても
決して恐れません。 詩編 3編6節~7節
主に信頼する
この詩人は、「主よ、それでも、あなたはわたしの盾、わたしの栄え、わたしの頭を高くあげてくださる方」と歌っています(4節)。 この時、彼の回りには多くの敵がいて、その数が増え続けていました。そして、その…
詩編 4編
主の慈しみに生きる人を主は見分けて
呼び求める声を聞いてくださると知れ。
平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります。
主よ、あなただけが、確かに
わたしをここに住まわせてくださるのです。 詩編 4編4節、9節
主の慈しみに生きる
この詩人は、辱めを受けながらも、「平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります」と歌うことができました。なぜでしょうか。それは、彼が「主の慈しみに生きる人を主は見分けて、呼び求める声を聞いてくださる」と…
詩編 5編
わたしの王、わたしの神よ
助けを求めて叫ぶ声を聞いてください。
あなたに向かって祈ります。
主よ、朝ごとに、わたしの声を聞いてください。
朝ごとに、わたしは御前に訴え出て
あなたを仰ぎ望みます。 詩編 5編3節~4節
神を仰ぎ望む
この詩人は、毎朝、神に「訴え出」た上で、神を「仰ぎ望」んでいます。これは「目を凝らして見張る」という意味の言葉で、彼は、神が祈りを無視されるはずがないことを信じ、ただひたすら神の応答を待ち続けている…
詩編 6編
主よ、怒ってわたしを責めないでください
憤って懲らしめないでください。
主よ、憐れんでください
わたしは嘆き悲しんでいます。 詩編 6編2節~3節
主よ、主よ
この詩編6編は、悔い改めの詩編と言われます。この詩人は危機に瀕して、神の怒りを強く感じ、神に懲らしめられているように受けとめました。おそらく、自分でも赦せないような大きな罪を犯したのでしょう。そこで彼…
詩編 7編
正しくいます主にわたしは感謝をささげ
いと高き神、主の御名をほめ歌います。 詩編 7編18節
正しく裁く神
「わたしを助け、追い迫る者から救ってください」(2節)。この詩人には、彼を激しく攻撃する者たちがいたようです。彼は、まったく身に覚えがないのに、不正を犯したと訴えられています。このままでは罪人として裁…
詩編 8編
あなたの天を、あなたの指の業を
わたしは仰ぎます。
月も、星も、あなたが配置なさったもの。
そのあなたが御心に留めてくださるとは
人間は何ものなのでしょう。
人の子は何ものなのでしょう
あなたが顧みてくださるとは。 詩編 8編4節~5節
乳飲み子の賛美
この詩人は、星空を眺め、その雄大さと、それをお造りになった神の偉大さに言いしれぬ感動を覚えています。創造主なる神の栄光と威光を心から賛美しているのです。同時に、彼の心に一つの驚きが生じています。この…
マタイ 10章24-39節
弟子は師にまさるものではなく、僕は主人にまさるものではない。 マタイによる福音書 10章24節
弟子らしく
きょうの御言葉は、私たち人間の限界を示しつつ、大きな平安を与えてくれます。弟子としての分をわきまえているようにと、自分を過大に評価しがちな私たちを戒めてくれます。「思い上がりなさんな」、「謙遜であれ…
詩編 9編
主よ、御名を知る人はあなたに依り頼む。
あなたを尋ね求める人は見捨てられることがない。 詩編 9編11節
見捨てられない
この詩人は、窮地に立たされています。彼には敵がおり、その敵は、「わたしを憎む者」「異邦の民」「神に逆らう者」と言われています。彼はそのような人びとからさまざまな攻撃を受けて、苦しめられているのです。 …
詩編 10編
あなたは必ず御覧になって
御手に労苦と悩みをゆだねる人を
顧みてくださいます。
不運な人はあなたにすべてをおまかせします。
あなたはみなしごをお助けになります。 詩編 10編14節
神は必ずご覧になる
この詩人は、「主よ、なぜ遠く離れて立ち、苦難の時に隠れておられるのか」と訴えます(1節)。悩みの中で祈ったときに、何の答えもなかったからです。私たちも、祈るときに何の答えもなく、神が祈りを聞かれていな…
詩編 11編
主を、わたしは避けどころとしている。
主は聖なる宮にいます。
主は天に御座を置かれる。
御目は人の子らを見渡し
そのまぶたは人の子らを調べる。 詩編 11編1節、4節
主は避けどころ
この詩人の周りには、どうやら政敵が多くいたようです。命をつけ狙う者も、彼の心を惑わす者もいたのでしょう。あるとき、彼を惑わす者が言いました。「お前は無力なのだから、もう諦めて逃げればよいではないか」…
詩編 12編
主は言われます。
「虐げに苦しむ者と
呻いている貧しい者のために
今、わたしは立ち上がり
彼らがあえぎ望む救いを与えよう。」
主の仰せは清い。
土の炉で七たび練り清めた銀。 詩編 12編6節~7節
わたしは立ち上がる
この詩人は、当時の世相を嘆いています。「誠実な人がいなくなってしまった。みんなが平気で嘘をつき、その滑らかな舌で人を操ろうとする。もう信仰のある人はいなくなってしまった」と(2~5節参照)。それに対し…
ローマ 1章
福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。「正しい者は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。 ローマの信徒への手紙 1章17節
神の義
「福音には、神の義が啓示されている」と言われます。長く隠されていた神の救いの秘義、イエス・キリストの十字架の御業が福音によって明らかにされたからです。 「啓示される」と受身の形で言われています。つまり…
ローマ 2章
神は人を分け隔てなさいません。律法を知らないで罪を犯した者は皆、この律法と関係なく滅び、また、律法の下にあって罪を犯した者は皆、律法によって裁かれます。 ローマの信徒への手紙 2章11節~12節
ユダヤ人も、異邦人も
すべての人は、最初の人アダムにあって生まれながらに罪人です。ユダヤ人であっても、私たちのような異邦人であっても、その事情は変わりません。 神は私たちをご自身のかたちに似せて造られ、生まれながらにご自身…
この時代のイスラエルの宗教は形式的には立派なものであったようです。聖書を調べ、律法に従って断食を守り、神に近づくことを喜んでいました。百点満点のようですが、「どうして神は見てくださらないのか」という…