主イエスに呼ばれる | マタイによる福音書 9章35節-10章8節

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マタイによる福音書 9章35節-10章8節

十二使徒の名は次のとおりである。まずペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレ、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、フィリポとバルトロマイ、トマスと徴税人のマタイ、アルファイの子ヤコブとタダイ、熱心党のシモン、それにイエスを裏切ったイスカリオテのユダである。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マタイによる福音書 10章2節~4節

主イエスに呼ばれる

主イエスに召し出された12人の名簿は示唆に富んでいます。まずペトロの名が挙げられ、彼の兄弟アンデレの名、さらに2組の兄弟たちの名が出てきます。それからマタイの名が「徴税人」の肩書き付きで記され、同じように「熱心党」のシモンが登場します。当時の大国ローマの手先とみられていた人と、民族の独立を願う人が、共にこの一団の中にいました。イスカリオテのユダを別に考えても、一般的な団体では、こうした人選は行われないでしょう。主イエスの群れは、物の考え方や意見、主張の違いによって枠づけられないことを思い起こさせてくれます。

主イエスは、不揃いな石の集まりのような群れに福音を伝える権威を授けられ、世に働きかける器とされました。この群れは、党派の原理、すなわち、周りに垣根を巡らして人々を囲い込もうとするあり方とは異なる原理の下にあります。イエス・キリストの教会は、色彩豊かです。私たちは同じ色だから集められるのではありません。また、一色になるように集められるのでもありません。主イエスに呼ばれる、このことが私たちを結びつけています。

宇野 元(芦屋伝道所)