リジョイス聖書日課 2018年10月

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2018年10月の聖書日課

ルカ 13章

「この女はアブラハムの娘なのに、18年もの間サタンに縛られていたのだ。安息日であっても、その束縛から解いてやるべきではなかったのか。」 ルカによる福音書 13章16節

束縛からの解放

18年も病の霊にとりつかれて腰を伸ばすことができなかった女性を、主イエス・キリストは安息日の会堂でいやされました。その時、彼女のことを愛して心配していた人々はきっと、思わず歓声を上げて、彼女と一緒に神…

ルカ 14章

「だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」 ルカによる福音書 14章11節

真の謙遜

「婚宴に招待されたら、上席に着いてはならない」(8節)という主イエスの教えは、単なる処世術ではありません。「神は高ぶる者を低くし、へりくだる者を高くされる」ということの具体例です。 ファリサイ派の人び…

ルカ 15章

「だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。」 ルカによる福音書 15章32節

喜びへの招き

羊飼いのもとから離れた羊は生きていけません。人の手から失われた銀貨は価値を失います。そして、父親のもとを飛び出した弟息子は人生を浪費し、人間以下の惨めさを味わいます。 ここには、神のもとから離れてしま…

詩編 13編

いつまで、主よ
わたしを忘れておられるのか。
いつまで、御顔をわたしから隠しておられるのか。
いつまで、わたしの魂は思い煩い
日々の嘆きが心を去らないのか。
いつまで、敵はわたしに向かって誇るのか。 詩編 13編2節~3節

主は、わたしに報いてくださる

この詩編の冒頭で、「いつまで、…」と詩編の作者は4回も繰り返し嘆いて、訴えています。彼が置かれている状況に関して、具体的なことは何もわかりません。ただ、その口から繰り返される「いつまで」という言葉は、…

詩編 14編

主は天から人の子らを見渡し、探される
目覚めた人、神を求める人はいないか、と。
だれもかれも背き去った。
皆ともに、汚れている。
善を行う者はいない。ひとりもいない。 詩編 14編2節~3節

ひとよ、汝が罪の

7節しかない短い詩編ですが、この詩編が取り扱っているテーマの重さのゆえに、簡単に読み進めることができません。 使徒パウロは、ローマの信徒への手紙3章で、この詩編、あるいはほぼ同じ内容の詩編53編を引用しな…

詩編 15編

主よ、どのような人が、あなたの幕屋に宿り
聖なる山に住むことができるのでしょうか。 詩編 15編1節

主の問いかけ

この詩編は、問いかけで始まります。エルサレム神殿に集う人びとに対して、主なる神がどのようなことを求めておられるのかを思い巡らし、信仰を吟味するための問いかけとして用いられていたようです。今でいえば、…

マタイ 21章33-46節

イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。
『家を建てる者の捨てた石、
これが隅の親石となった。…』
だから、言っておくが、神の国はあなたたちから取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる。」 マタイによる福音書 21章42節~43節

ふさわしい実を結ぶ民族

主イエスは、ユダヤ教指導者たちに対して、旧約の御言葉を引用してご自分の十字架と復活を予告なさいました。神殿を建てる者がよく吟味し、価値が無いと判断して捨てた石が、いざ神殿が完成してみると、建物の最も…

詩編 16編

あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく
あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず
命の道を教えてくださいます。
わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い
右の御手から永遠の喜びをいただきます。 詩編 16編10節~11節

命の道

詩編の作者は、「神よ、守ってください」と訴えています。死がすぐそばまで迫っているからです。しかし、彼の心を満たしているのは、死の恐怖ではなく、死に打ち勝つ神の救いの恵みです。教会は、この詩編を主イエ…

詩編 17編

主よ、正しい訴えを聞き
わたしの叫びに耳を傾け
祈りに耳を向けてください。
わたしの唇に欺きはありません。
御前からわたしのために裁きを送り出し
あなた御自身の目をもって公平に御覧ください。 詩編 17編1節~2節

わたしの訴えを聞いてくださる主

詩編の作者の口調から緊迫した雰囲気が伝わってきます。そこはまるで法廷のようです。濡れ衣を着せられた彼は、自らの潔白を訴え、神の正義が行われることを祈り求めています。 自分が法廷に立たされることを願う人…

詩編 18編

主よ、国々の中で
わたしはあなたに感謝をささげ
御名をほめ歌う。
主は勝利を与えて王を大いなる者とし
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。 詩編 18編50節~51節

主への感謝の賛美

表題には「主がダビデをすべての敵の手、また、サウルの手から救い出されたとき、彼はこの歌の言葉を主に述べた」とあります。サムエル記下22章では、ダビデ王の生涯を総括する部分で、この歌が記録されています。…

詩編 19編

天は神の栄光を物語り
大空は御手の業を示す。
昼は昼に語り伝え
夜は夜に知識を送る。
話すことも、語ることもなく
声は聞こえなくても
その響きは全地に
その言葉は世界の果てに向かう。 詩編 19編2節~5節

御言葉の力

このダビデの賛歌は、大自然と御言葉を題材にして主なる神を賛美しています。澄みわたった大空に太陽が美しく輝き、エルサレム神殿では律法の朗読の声が朗々と響き渡っている様子が浮かび上がってくるようです。 大…

詩編 20編

戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もあるが
我らは、我らの神、主の御名を唱える。
彼らは力を失って倒れるが
我らは力に満ちて立ち上がる。 詩編 20編8節~9節

真の勝利

この詩編は、次の21編とともに「王の詩編」と呼ばれています。旧約時代の礼拝の中で、王の勝利を願ってこの詩は読まれ、用いられたと考えられます。 当時のイスラエルは、常に他国からの侵略の危機にさらされていた…

ルカ 16章

「主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎えてもらえる。」 ルカによる福音書 16章8節~9節

賢く振る舞う

16章にも、15章に続いて主イエスが語られたたとえ話が収められています。15章はファリサイ派の人びとや律法学者に向けて語られましたが、16章は1節にあるように、弟子たちに向けて語られたものです。 果たしてこの…

ルカ 22章1-14節

「そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいになった。王が客を見ようと入って来ると、婚礼の礼服を着ていない者が1人いた。王は、『友よ、どうして礼服を着ないでここに入って来たのか』と言った。」 ルカによる福音書 22章10節~12節

婚宴にふさわしい礼服

主イエスは、「天国」を「王の婚宴の席に着く」ことにたとえられました。その婚宴は、身分や善悪の区別なく、実に気前よくどのような人にも開かれています。本当に救われたいと願い、御言葉に導かれるままに罪の赦…

ルカ 17章

そこで、イエスは言われた。「…この外国人のほかに、神を賛美するために戻ってきた者はいないのか。」それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」 ルカによる福音書 17章17節~19節

立ち上がって、行きなさい

主イエスが重い皮膚病の10人の人をいやされた話は、14節で終わってもよかったのかもしれません。けれども、それで終わりませんでした。その中の1人が主イエスのところに戻って来たのです。 義理人情に厚く、お礼を…

ルカ 18章

「人の子は異邦人に引き渡されて、侮辱され、乱暴な仕打ちを受け、唾をかけられる。彼らは人の子を、鞭打ってから殺す。そして、人の子は3日目に復活する。」12人はこれらのことが何も分からなかった。彼らにはこの言葉の意味が隠されていて、イエスの言われたことが理解できなかったのである。 ルカによる福音書 18章32節~34節

受難の予告

主イエスが自分の身の上に起こる苦難について語られたのは、ルカによる福音書で、これが3度目です。このとき、主イエスは、預言者たちが人の子について書いたことがご自分において成就することを明らかにされました…

ルカ 19章

「主の名によって来られる方、王に、
祝福があるように。
天には平和、
いと高きところには栄光。」 ルカによる福音書 19章38節

主の名によって来られる方

受難週に入る日曜日を「棕櫚の主日」と呼びます。その日の出来事が、19章28節以下の主イエスのエルサレム入城です。この当時、エルサレムは世界の覇者ローマ帝国の支配の下にありました。それだけに、住民たちはこ…

ルカ 20章

「農夫たちは息子を見て、互いに論じ合った。『これは跡取りだ。殺してしまおう。そうすれば、相続財産は我々のものになる。』そして、息子をぶどう園の外にほうり出して、殺してしまった。さて、ぶどう園の主人は農夫たちをどうするだろうか。」 ルカによる福音書 20章14節~15節

わたしの愛する息子を送る

ヘブライ人への手紙1章1、2節に次のようにあります。「神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました」。 …

ルカ 21章

「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。」 ルカによる福音書 21章34節

心が鈍くならないように

21章では、世の終わりを待つ者の心構えが教えられています。主イエスの願いは、「心が鈍くならないように注意しなさい」ということです。「さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる」と続…

ルカ 22章

「あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。」 ルカによる福音書 22章26節

いちばん偉い者とは

「だれがいちばん偉いだろうか」。この議論は、9章46~48節にもあります。そこでは、主イエスは弟子たちに、一人の子どもに注目させながら、「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である」と教えられま…

マタイ 22章15-22節

イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。彼らは、「皇帝のものです」と言った。すると、イエスは言われた。「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」 マタイによる福音書 22章20節~21節

神のものは神に返しなさい

「皇帝に税を納めるべきか否か」というファリサイ派の人びとの質問は、どちらを認めても陥れられることになる、巧妙に仕組まれたものでした。それに対して、主イエスは「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しな…

ルカ 23章

「祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。」 ルカによる福音書 23章10節~11節

侮辱されるイエス

「使徒信条」にあるように、主イエスは「ポンテオ・ピラトの下に苦しみを受け」られました。その様子がこの23章に記されています。「この男はわが民族を惑わし」(2節)たと人びとは訴えました。けれども、ピラトの…

ルカ 24章

すると、2人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。2人は「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。 ルカによる福音書 24章31節~32節

復活の主によって開かれる

共に歩き、聖書を解説し、パンを裂くという一連の業の中で、主イエスは2人の目を開き、心を開いて、復活を信じる信仰へと導かれました。その際、「心が燃えていた」のは、主イエスが聖書を説き明かし、語りかけてく…

エレミヤ 1章

「わたしはあなたを母の胎内に造る前から
あなたを知っていた。
母の胎から生まれる前に
わたしはあなたを聖別し
諸国民の預言者として立てた。」 エレミヤ書 1章5節

預言者の召命

エレミヤはユダ王国滅亡に至る激動の時代を生きた孤高の預言者でした。エルサレム近郊のアナトトにある地方聖所の祭司の家に生まれた彼は、若くして主の召命を受け、「諸国民の預言者」として預言活動に身を投じま…

エレミヤ 2章

主はこう言われる。
わたしは、あなたの若いときの真心
花嫁のときの愛
種蒔かれぬ地、荒れ野での従順を思い起こす。 エレミヤ書 2章2節

失われた花嫁

預言者エレミヤの口を通して語られる主の告発は、まずイスラエルに向けられます。モーセによって荒れ野に導かれ、契約を結んで主の民とされたイスラエルは、いわば主なる神の花嫁であり、若いときの妻として思い起…

エレミヤ 3-4章

背信の女イスラエルよ、立ち帰れと
主は言われる。
わたしはお前に怒りの顔を向けない。
わたしは慈しみ深く
とこしえに怒り続ける者ではないと
主は言われる。
ただ、お前の犯した罪を認めよ。 エレミヤ書 3章12節~13節

悔い改めへの招き

神との契約を蔑ろにしたイスラエルの罪は「姦淫」と言われます。夫である主を捨てて偶像に過ぎない他の神々に心を傾けたからです。北イスラエル王国がアッシリアによって滅ぼされたのは、繰り返し「立ち帰れ」と呼…

エレミヤ 5-6章

「身分の低い者から高い者に至るまで
皆、利をむさぼり
預言者から祭司に至るまで皆、欺く。
彼らは、わが民の破滅を手軽に治療して
平和がないのに、『平和、平和』と言う。」 エレミヤ書 6章13節~14節

悔い改めを拒む民

悔い改めを求める神の言葉を告げた預言者は、まるで石の壁に向かって語るような虚しさを覚えます。人びとは主なる神の名を知らないわけではありません。偶像を拝みながら、「主は生きておられる」と誓うことさえし…

2コリント 5章16-21節

「罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。わたしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。」 コリントの信徒への手紙二 5章21節

キリストの犠牲を通してなされた和解

功績による救いを教えていたカトリック教会に対して、宗教改革者たちは人間の徹底的な無力と全的堕落を認め、信仰のみによる救い、信仰義認を主張し、ただ恩恵のみによる救いを強調しました。救いの絶対的恩恵性の…

エレミヤ 7-8章

「主の神殿、主の神殿、主の神殿という、むなしい言葉に依り頼んではならない。この所で、お前たちの道と行いを正し、お互いの間に正義を行い、寄留の外国人、孤児、寡婦を虐げず、無実の人の血を流さず、異教の神々に従うことなく、自ら災いを招いてはならない。」 エレミヤ書 7章4節~6節

偽りの神殿

エルサレム神殿は神の臨在の証であり、イスラエルの誉れとして礼拝がささげられていました。多くの参拝者が集う中、エレミヤは神殿の門に立って神の言葉を呼ばわります。 人々は礼拝をささげながら「主の神殿、主の…

エレミヤ 9-10章

知恵ある人はこれを悟れ。
主の口が語られることを告げよ。
何故、この地は滅びたのか。
焼き払われて荒れ野となり
通り過ぎる人もいない。 エレミヤ書 9章11節

救いに至る知恵

エレミヤの預言から裁きの言葉を毎朝聴き続けるのは苦行にも感じられます。世の中には人の過失を責める暴力的な言葉が至る所にある一方で、メディアでは正しい批判さえ避けて何事も丸く収めようとする傾向がありま…

エレミヤ 11-12章

アナトトの人々はあなたの命をねらい
「主の名によって預言するな
我々の手にかかって死にたくなければ」と言う。 エレミヤ書 11章21節

預言者の孤独

歯に衣を着せぬエレミヤの預言は周囲から親しい者たちを遠ざけます。厳しい批判の言葉など聞きたくないのは世の常です。「アナトト」はエレミヤの故郷です。故郷の人々はエレミヤの告げた神の言葉に怒りをあらわに…