真の勝利 | 詩編 20編

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詩編 20編

戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もあるが
我らは、我らの神、主の御名を唱える。
彼らは力を失って倒れるが
我らは力に満ちて立ち上がる。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 20編8節~9節

真の勝利

この詩編は、次の21編とともに「王の詩編」と呼ばれています。旧約時代の礼拝の中で、王の勝利を願ってこの詩は読まれ、用いられたと考えられます。

当時のイスラエルは、常に他国からの侵略の危機にさらされていた小さな国でした。ですから、祖国に勝利をもたらす王の出現は、国民にとって決定的に重要なことだったのです。けれども、この詩編が語る勝利とは、単純に軍事的な勝利のことではありません。

8節は「戦車」と「馬」に言及しています。これらは当時の軍事力を示しており、これらがたくさんあれば当然国力は増大します。しかし、この詩編は、戦車や馬に頼るべきではないと語ります。本当に頼るべきは主なる神であること、そして主なる神により頼むときにこそ力に満ちて立ち上がると、詩編の作者は断言します。

主イエス・キリストのエルサレム入城の場面が思い出されます。まことの王であられる主イエスは、馬ではなくロバの子に乗ってエルサレムに入城されました。そして、十字架の死によって真の勝利を打ち立てられたのでした。

唐見 敏徳(忠海教会)