神の祝福の具現として広がる世界 | 創世記 10章

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創世記 10章

ノアの子孫である諸氏族を、民族ごとの系図にまとめると以上のようになる。地上の諸民族は洪水の後、彼らから分かれ出た。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 10章32節

神の祝福の具現として広がる世界

10章は「民族表」と呼ばれますが、ここには古代の世界観に従って民族の分布が綿密に調査され、互いに関係付けて記されています。ここに至ると聖書の世界がとても現実味を帯びてきます。示されるのは、こうした歴史的現実の中に、神の祝福を受ける部族が位置付けられていることです。洪水後の世界は、このように神の祝福の具現として広がります。

他方、その世界地図からはノアの家族にまつわる忌まわしい罪の呪いが立ち現れて来ます。中には罪のゆえに滅びてしまう、ソドムとゴモラのような町も含まれています。また、ハム族のエジプトが世界を制圧するかに見えた時代がやがて訪れます。そこでイスラエルはファラオの奴隷として、長い期間、虐待されます。やがてアッシリアが立ち、バビロニアが立ち、ペルシアが登場し、という具合に、互いに互いを奴隷とするための絶えざる争いが、兄弟同士の間で延々と、この地図上で繰り広げられます。その背後に、それでも人間が滅びてしまわないようにと支えておられる神がおられ、神の祝福が一つの系図の中で生きてゆきます。

世界は、ただ繁栄によって再生が目指されたのではなく、信仰を通して、神との正しい関係の内に再生されることが目指されています。

【祈り】

災いを幸福に変え、呪いを祝福に変えるその御手の力を、私たちの歩みの内にあらわしてください。

牧野 信成(長野まきば教会)