生き物の命は神のもの | 創世記 9章

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創世記 9章

「あなたたちの命である血が流された場合、わたしは賠償を要求する。…人間どうしの血については、人間から人間の命を賠償として要求する。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 9章5節

生き物の命は神のもの

洪水後の、自然の秩序の制定は、かねてからの創造の保持として位置付けられますが、新しい時代を特徴付ける変化が与えられます。

第一に、肉食の開始です。神の憐れみのもとに人間はあらゆる生き物を食物とすることができるようになりました。しかし、「肉は命である血を含んだまま食べてはならない」という規定では、依然として生き物の命は神のものであることが明記されます。血を人間が採ることは禁じられ、それを神のものとして、神に返さねばならない。肉を取るためには、血を大地に注ぎだして(申12章16節)、生き物が造られたその最初の場所へと返すことが命じられます。ですから、人間はこれを無作為に殺したり、血を流したりして食用にすることを禁じられます。「肉を食べる」ときには、神の御手に命をお返ししながら食するという謹厳さが加わります。

「血を流す」ことと関連して、第二に、人間の命の尊厳がここで明らかにされます。人間の命の尊厳は神に置かれています。人間には神のかたちが与えられていることに最高の尊厳があります。命の価値が社会秩序に基礎を置くのではなく、信仰によって神に置かれます。殺人は神のかたちを汚す、神への反逆行為として、被造物全体に向けて禁止されます。

【祈り】

あなたが祝福された命を大切にしてその尊厳を最大限に尊ぶことができるように私たちを導いてください。

牧野 信成(長野佐久伝道所)