空の虹を見て神は想い起こす | 創世記 8章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

創世記 8章

「人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 8章21節

空の虹を見て神は想い起こす

暴力や絶望を目にして、神はいったい何をしているのだろうかと、人はよく問います。しかし、聖書がそこで明かしてくれるのは、人間の悪行の背後で神が世界を滅びから守っておられるということです。ですから、私たちは、まず神の責任に向かう前に、人に問うてみる必要があるのではないでしょうか。自分はいったい何をしているのか、と。人間は武器を取り、命の尊厳を踏みにじり、創造の破壊へと奔走します。罪は人間にあり、神から来るのではありません。

かつて古代に洪水が起こったとき、罪が神の創造を徹底的に蝕んでしまった世界がありました。それが洪水を引き起こしました。この記事を見て、ではもう一度、世界は滅ぼされてしまうのだろうかと考えてみますと、たぶん滅ぼすのは我々でしょう。

きょうの御言葉は、神はもう滅ぼすことはしないと誓った、と告げています。そしてひたすらに人の罪を担いつづける側に回って、世界を保持することに全力を傾けておられることが知らされます。

私たちの社会にとって今必要なことは、おそらく自分の心にあるものを静かに見つめて、天を仰いで虹の出現を祈ることではないでしょうか。空の虹を仰いで、世界を担っておられる神を、心に宿すことです。

【祈り】

世界の苦悩を目の当たりにしても、その背後であなたのお支えがあることを忘れませんように。

牧野 信成(長野まきば教会)