神が取られたのでいなくなった | 創世記 5章

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創世記 5章

エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 5章24節

神が取られたのでいなくなった

アダムからノアまでの系図が示すのは、洪水以前の人類の歩みです。神が創造した人間は、その重い罪にも関わらず、地上で歴史を生きながらえました。千年近い寿命をみると普通の人間とはとても思えません。しかし、古代の人びとは洪水以前を神々の時代と捉え、神に似た英雄たちの長寿をたたえました。今日知られている古代中東の「王名表」によれば、それらの英雄たちは、ほぼ永遠に等しい数万年の寿命を誇ります。

それに比べると、ここにある系図の人物たちは遥かに短い生涯を送り、最後は「死んだ」と報告されます。つまり、洪水以前の人物たちもまた神ではなく被造物である人間に過ぎないことをこの系図は示しています。

このリストの中で、エノクについての記述だけが異彩を放っています。彼だけ「死んだ」とは書かれずに、「神が取られたのでいなくなった」とされます。これが生きたまま天に昇ったと受け取られましたが(ヘブ11章5節ほか)、大切なことは、神と共に歩んだ人の人生は単に塵に返るのではなく、最後には「神が取られる」と言われることです。長生きして神々として讃えられることではなく、罪を赦されて神のもとに引き取られた人の人生こそが本当に幸せではないでしょうか。

【祈り】

わたしは終わりまで主イエスと共に歩みたいと願っています。信仰の内にわたしの魂を守ってください。

牧野 信成(長野まきば教会)