神の民の歴史に刻まれた良きものの継承 | 歴代誌上 7-8章

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歴代誌上 7-8章

ネルにはキシュが生まれ、キシュにはサウルが生まれ、サウルにはヨナタン、マルキ・シュア、アビナダブ、エシュバアルが生まれた。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 歴代誌上 8章33節

神の民の歴史に刻まれた良きものの継承

7章には、イサカル、ベニヤミン、ナフタリ、マナセ、エフライム、アシェルの部族の系図が記され、8章にはベニヤミン族の系図がもう一度、より詳しく記されています。そのベニヤミン族からイスラエル最初の王サウルが誕生することになります。

サウルは神に選ばれ、王の職務に召し出された人でした。その期待に応えるべくサウルは、イスラエルの地を狙う国々との戦いに明け暮れます。しかし、アマレクとの戦いに勝利したときのこと、ふとした気のゆるみからか、神の戒めに背いてしまい、以来、悪霊に苛まれ、台頭するダビデへの嫉妬に狂い、最期はペリシテとの戦いに敗れ、非業の死を遂げることになりました。

しかし、サウルの系譜は、ダビデと麗しい友情を結んだヨナタンから豊かに広がっていったことが知らされます。系図には「ウラムの子らは、弓を引く勇士となり」という記述もあります(8章40節)。そういえば、ヨナタンは弓の名手で、ダビデが詠んだサウルとヨナタンへの哀悼の歌は「弓」と題されていました(サム下1章18節)。人の歩みには上手くいくこと、いかないことがありますが、その時々に懸命になしたことを、神は世代を越えて残してくださることをこの系図は教えてくれます。

【祈り】

主よ、あなたに背く愚かな私たちですが、良きものだけを選び取り、次の世代に残してください。

柏木 貴志(岡山教会)