あさのことば

競争

放送日
2012年11月5日(月)
お話し
山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 競争

 いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
 夏目漱石の小説『吾輩は猫である』の中に、面白いくだりがあります。人間社会を皮肉って、人間の歴史は「単に衣服の歴史である」と言っています。人間は平等に裸に生まれたのに、平等であることに安んじてはおられずに、「おれはおれだ、誰が見てもおれだと云うところが目につくようにしたい」とこう考えて、人よりも目立つものを身につけ、こうして人間の歴史は衣服の歴史となったというのです。

 他人とは違うということを誇示したい思いは、時代と場所とに関係なく人間の本性のようなものです。確かにせっかく平等に生まれたのに、わざわざ人との差別化をすることもないのに、という見方もあるかもしれません。しかし、こうした差別化に対する思いが競争の原理となって、人間社会の発展を引っ張ってきたというのも事実です。競争のない社会というのは一見、平等で平和のように思えるかも知れません。しかし、それは進歩のない社会でもあります。

 けれども、本来は人間社会を発展させ、より幸福な社会を作り出していくはずの競争の原理も、人間の罪深い欲望がそこに加わると、たちまち人を苦しめる原理に堕ちてしまいます。競争の原理もまた、神が人間に与えた本性だとは信じますが、その競争の原理を上手に役立てるのはなんと難しいことでしょう。

 今日の言葉
 「乾いたパンの一片しかなくとも平安があれば
  いけにえの肉で家を満たして争うよりよい。」箴言17章1節

コントローラ


スマートフォンの方はこちらから再生(mp3形式)

全ての番組からランダムに
  1. ヨハネ20章19-31節 主の約束を信じて生きる幸い

  2. この小さい者のために

  3. 2ペトロ3章 新天新地を待ち望む

  4. ヨハネ3章1-17節 新たに生まれなければ

  5. 二つに一つの選択

  6. ルカ16章 金持ちとラザロ

  7. 過去・現在・未来の中で~「過去の失敗」

  8. マタイ3章 良い実を結ぶように

  9. 宇宙一暑苦しい熱血教理教室!~カルヴァンを支えた「子とすること」

  10. 小さな朗読会214 「不思議な鳥が必要な時も」(John Timmer著「Once upon a time…」より)