十字架の前に立つ者として | コリントの信徒への手紙一 1章

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コリントの信徒への手紙一 1章

皆、勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 コリントの信徒への手紙一 1章10節

十字架の前に立つ者として

パウロが開拓伝道をした教会が混乱していました。パウロは、人づてにコリント教会の中に「争い」があることを聞きます(11節)。「わたしはパウロにつく」「わたしはアポロに」「わたしはケファに」「わたしはキリストに」と、教会の中に何と分派の争いが起きてしまったのです。パウロはどれほど心を痛めたことでしょうか。

分派が生まれた理由の一つに立地条件が考えられます。教会のあるコリントは交通の要所であり、そのため貿易や観光で栄えた町でした。そのため町の人びとの気質は競争的で上昇志向だったと言われます。つまり町の雰囲気がそのまま教会に持ち込まれたのではないでしょうか。

教会は多様な人たちが集まることができる場所です。教会が素晴らしいのは多様でありつつ一致できるからです。しかし、コリント教会は、この一致が曖昧になりました。

だからパウロは一致を心から呼びかけます。「皆、勝手なことを言わず…心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい」。

パウロは一致点をはっきりと示します。キリストの十字架です。キリストの十字架を軽んじることから争いが生まれるからです。十字架というゼロ地点にともに頭を垂れて立つ。教会の一致はそこから生まれます。

【祈り】

神よ、心の刃を折ってください。人と教会を建て上げることができる愛の言葉を与えてください。

西堀 元(北神戸キリスト伝道所)