悲しみの声をあげる預言者 | ミカ書 1章

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ミカ書 1章

このため、わたしは悲しみの声をあげ
泣き叫び、裸、はだしで歩き回り
山犬のように悲しみの声をあげ
駝鳥のように嘆く。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ミカ書 1章8節

悲しみの声をあげる預言者

紀元前8世紀、神の民イスラエルが南北二つの王国に分裂しておよそ200年後、南のユダ王国に次々と預言者が現れました。アモスやホセアやイザヤ、そしてミカです。

「預言」という漢字が示すとおり、彼らは自分の言葉ではなく、自分に臨んだ「主の言葉」を預かり語った人びとです。

ミカは、エルサレムの南西にあるモレシェト出身の村人でした。ところが、その彼が、突如として諸国の民や被造世界全体に対して、「皆聞け、耳を傾けよ!」と語り始めました。天地の主なる神が、ご自分の民に、今や大いなる御業をなさる時が近づいているからです。

それは「ヤコブ(イスラエル民族)の罪」に対する審判であり、具体的には、北イスラエル王国の首都サマリア陥落の幻でした。それだけではありません。この神の審判は、やがて南のユダ王国とエルサレムに及び、ミカの故郷の町々村々をもなめ尽くすというのです。

ミカは、この預言と幻に身もだえし、「裸、はだしで歩き回り」、ひたすら泣き叫ぶほかありません。何も知らない人びとからは奇異の目で見られたことでしょう。しかし、滅び行く同胞のことを、どうして嘆かずにおれましょうか。パウロも同胞のために嘆きました。(ロマ9章2節)。

【祈り】

主よ、同胞のための私たちの嘆きに耳を傾けてください。

吉田 隆(甲子園伝道所)