幻の実現に向けて前進する | 使徒言行録 25章

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使徒言行録 25章

そこで、フェストゥスは陪審の人々と協議してから、「皇帝に上訴したのだから、皇帝のもとに出頭するように」と答えた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 使徒言行録 25章12節

幻の実現に向けて前進する

2年もの間、パウロは総督フェリクスによってカイサリアで軟禁されていましたが、ようやく事態は進展し、ローマで証しするという幻の実現に一歩近づいていきます。

きっかけになったのがフェリクスの後任としてフェストゥスが赴任したことでした。着任後、彼がエルサレムへ上ったとき、祭司長やユダヤ人のおもだった人びとはパウロを訴え出て、彼をエルサレムへ送り返すよう依頼しました。途中でパウロを殺そうとたくらんでいたのです。しかしフェストゥスがその訴えを退けたため、彼らはカイサリアへ来てパウロの罪状を告発しましたが、立証することはできませんでした。

しかし、フェストゥスはユダヤ人に気に入られようとして、エルサレムで、彼の前で裁判を受けたいかとパウロに尋ねました。ローマで証しすることを待ち望んでいたパウロにとって、再びエルサレムへ戻ることはあり得ないことでした。後退を意味するからです。直ちに、彼がもっているローマの市民権を行使し、皇帝に上訴しました。止まっていたかのような事態が動き出した瞬間でした。

幻の実現を堅く信じ、今か今かと待ち望んでいたからこそ主の時が来たことを知ったとき、その機会を逃さず直ちに正しく行動できたのです。

【祈り】

主よ、幻の実現を待ち望んでいる者が、その時を正しく知り、行動に移せる知恵を与えてください。

後藤 公子