傷ついた葦を折らないキリスト | マタイによる福音書 12章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

マタイによる福音書 12章

「正義を勝利に導くまで、
彼は傷ついた葦を折らず、
くすぶる灯心を消さない。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マタイによる福音書 12章20節

傷ついた葦を折らないキリスト

ある安息日に、主イエスは片手が萎えた人を癒されました。当時は因果応報の考え方が浸透していただけに、この病気による障害は、彼の心に深い影を落としていたに違いありません。世間からも神からも見捨てられたという思いが彼の心を支配していたのです。ところが、そんな彼を主イエスは癒してくださいました。

ファリサイ派の人びとは、この様子を見て、安息日の規定を破ったと大騒ぎし、主イエスを殺そうと相談し始めました。ところが、福音書記者マタイは、この主イエスのお姿こそイザヤ書42章1節から4節の預言の成就なのだ、と言うのです。

「葦」は、高さ約2、3メートルほどの、細長く、折れやすい、イネ科の植物です。そういう元もと脆い葦が既に傷ついていると言うのですから、少し力を加えただけでも折れてしまうかもしれません。「くすぶる灯心」というのも同じことです。「傷ついた葦」「くすぶる灯心」、これはまさに、片手が萎えたこの人の姿そのものと言えるでしょう。主イエスは、そういう「傷ついた葦」を決して折ることがなく、「くすぶる灯心」を決して消すことがないお方です。

主イエスがこういうお方だからこそ、私たちは救われたのではないでしょうか。

【祈り】

傷ついた葦、消えかかった灯心のように望みを失いかけていた私たちを救い出してくださり、感謝します。

吉田 謙(千里摂理教会)