幸いを望んだのに | ヨブ記 30章

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ヨブ記 30章

だが今は、わたしより若い者らが
わたしを嘲笑う。

わたしは幸いを望んだのに、災いが来た。
光を待っていたのに、闇が来た。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヨブ記 30章1節、26節

幸いを望んだのに

ヨブはかつて、やもめや身寄りのない子を助け、また真実の言葉を語り、広く尊敬を集めていました。しかし、今や財産と家族を失い、重い皮膚病を患って、人びとから敬遠されるようになりました。それだけではなく、自分よりも立場が低いと考えていた「愚か者、名もない輩、国からたたき出された者ら」(8節)からも罵られるようになったのです。このような状況の中、神は、善い行いを顧みてくださらないばかりか、理不尽に怒りをあらわす方としか、ヨブには思えなくなりました。

そのようなとき、人はどうするでしょうか。もはや神なしで生きて行こうと思い定めるかもしれません。あるいは、自分の力でいつか周りを見返してやろうとするかもしれません。しかし、ヨブはひたすら悲しみの中に沈みます。

人が経験する悲しみは決して簡単に対処できるものではありません。そして、神は私たちが安易に理解し、捉えられるようなお方ではないのです。

この時点でヨブにはまだ見えていませんが、神はヨブの深刻なうめきにじっと耳を傾けておられるのです。

常石 召一(大阪教会)