神の救いを香らせて | コリントの信徒への手紙二 2章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

コリントの信徒への手紙二 2章

救いの道をたどる者にとっても、滅びの道をたどる者にとっても、わたしたちはキリストによって神に献げられる良い香りです。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 コリントの信徒への手紙二 2章15節

神の救いを香らせて

焼鳥屋さんの前を通ると、思わずその香りに心が掴まれ、引き寄せられます。

香りというものは不思議なものです。無色透明で目に見えないけれども、確かな存在感があり、色がある。香りは無理強いすることなく、違和感なくすっと人の心に届いて、人に伝わる。パウロは私たちの存在を、その香りになぞらえています。パウロによれば、神は私たちを通じて、キリストを知るという知識の良き香りを、至るところに漂わせてくださいます。キリストに属する私たちは既に、その良い香りになっているのです。

ウェストミンスター小教理問答の第1問の答えに、「人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことです」とあります(新教出版社『ウェストミンスター信仰基準』所収、榊原康夫訳)。

神の栄光をあらわすと聞くと、それは何か特別な、ものすごいパフォーマンスであるとか、目覚ましい働きをすることだと思いがちです。けれども、決してそれは、小難しく大それたことなのではありません。とても芳ばしいこのキリストの香りを、きょうもこの私たちが振りまいて生きるということなのです。

吉岡 契典(神戸改革派神学校)