たとえ嵐の中でも | 使徒言行録 27章

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使徒言行録 27章

そのとき、パウロは彼らの中に立って言った。「皆さん、わたしの言ったとおりに、クレタ島から船出していなければ、こんな危険や損失を避けられたにちがいありません。しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はないのです。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 使徒言行録 27章21節~22節

たとえ嵐の中でも

パウロは、皇帝の前で弁明するためにローマに向かって船出することになり、276人が乗った大きな舟に乗り込みました。冬の始めの頃、悪天候の中、ようやくクレタ島の「良い港」と呼ばれる所にたどりつきます。

ここで、パウロはこれ以上の航海は危険であることを警告しますが、百人隊長は、船長や船主の方を信用し、無理に船を出させます。それは、航海の素人であったパウロよりも経験者を信用したということでした。しかしまもなく、「エウラキロン」と呼ばれる暴風が、島の方から吹き降ろし、幾日も命の危険を感じる航海となります。

しかしこのとき、神がパウロを励まします。そして、パウロは人びとに、「元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はない」と、神がこの航海を守っておられることを伝え、元気づけます。

教会の歩みも、時に、嵐の中の船のように先の見えない不安が生じます。しかし、主イエスが本当の船長として、御言葉という羅針盤をもって絶えず正しい航路を指し示し、御国に至る航海に導いておられるのです。

宮武 輝彦(男山教会)