裁きの中の憐れみ | 歴代誌下 28章

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歴代誌下 28章

その名をオデドという主の預言者がいて、サマリアに凱旋した軍隊の前に進み出て言った。「…今、わたしの言うことを聞き、兄弟の国から連れて来た捕虜を帰しなさい。主はあなたたちに対して激しく怒っておられる。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 歴代誌下 28章9節~11節

裁きの中の憐れみ

アハズは20歳で父ヨタムの後を継ぎ、ユダの王となりました。しかし、彼はヨタムと違い、父の姿から学びませんでした。彼が陥った罪もその結果も、北イスラエルの王たちが陥ったものとよく似ています。自ら偶像礼拝を行って、主なる神を捨てたのです。そのようにして神の怒りを招いた結果、ユダは北イスラエルとの戦いに敗北し、他民族からの侵略にあい、国は大きな痛手を負いました。大国アッシリアにも苦しめられました。すべてはアハズ王が、「ユダを堕落させ、主に甚だしく背いたから」です(19節)。しかし、そのような災難のさなかでも、アハズは神に立ち帰ることなく、ますます偶像礼拝の罪を犯し続けました。

ただ、そのような中でも神は完全にユダの民を見捨てられたわけではありません。北イスラエルとの戦いの結果、ユダの多くの婦女子が捕虜となり、サマリアに連れ去られましたが、主の預言者オデドを通しての神の警告の言葉によって、捕虜となった人びとは解放されることになりました。

神の憐れみは、裁きの中でも弱い者たちに向けられます。私たちの主なる神は、弱い者、小さい者を顧み、憐れんでくださる神なのです。

松田 基教(多治見教会)