罪の混沌でなおも主が憐れむ | 創世記 19章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

創世記 19章

ロトはためらっていた。主は憐れんで、二人の客にロト、妻、二人の娘の手をとらせて町の外へ避難するようにされた。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 19章16節

罪の混沌でなおも主が憐れむ

家畜の財産が増えてアブラハムと共に住むことができなくなったロトは、よく潤った低地の町ソドムに住むようになっていました。契約が結ばれる公の場である町の門の所に座り、娘を町の男に嫁がせるなど、ロトはソドムでの市民権を得ていました。

そこに二人の御使いが訪れます。町の男たちが押しかけて二人を出すように迫ると、ロトはまだ男を知らない自分の娘を代わりに差し出すと申し出ます。ロトは客人への誠意のつもりだったのでしょうが、娘たちはどのように感じたでしょうか。

町が滅ぼされるので、早く逃げるようにせきたてられますが、ロトはためらいます。御使いが手をとって連れ出さなければならないほどです。多くの財産や町で築いた人間関係に未練があったのかもしれません。ロトの妻にも未練が見られます。振り返るなと言われたのに振り向いて塩の柱になりました。さらにその後、娘たちは、父に酒を飲ませて、床を共にし、父親の子どもを産みます。

あまりにも罪が蔓延し、混沌としています。それでもなお、主は、世界のすべての国民を祝福に入れるという約束を担う(18章18節参照)アブラハムを御心に留め、ロトを救い(29節)、娘たちの子孫を増やして二つの国民にするのです。

【祈り】

主よ、罪が蔓延した世界に生きる私たちですが、あなたがなおも憐れんでくださることを感謝します。

大西 良嗣(宝塚教会)