弱い信仰者の歩みを通してでも | 創世記 12章

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創世記 12章

「地上の氏族はすべて
あなたによって祝福に入る。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 12章3節

弱い信仰者の歩みを通してでも

これまで、極めて良いものとして造られた世界に人間の罪が蔓延する様子が語られてきました。12章から語られるのは、罪によって祝福を失った世界に対する主の応答です。

主はアブラム(後のアブラハム)を呼び出し、「地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る」と約束されました。ここから語られ始めるのは、アブラムを父祖とするイスラエルの歴史です。やがてアブラハムの子孫としてイエス・キリストがお生まれになり、「罪の赦しを得させる悔い改めが…あらゆる国の人々に宣べ伝えられ」(ルカ24章47節)、世界が祝福を回復していきます。世界規模で進められる主の壮大な救いのご計画がここから始まるのです。

ところが、ここには世界規模の救いを予感させる力強さがありません。アブラムは生まれ故郷を離れて、在留外国人として不安定な立場での生活を始めました。10節以下にはアブラムが寄留先の人びとを恐れて、妻サライに自分の妹であると嘘をつくように頼む姿さえ記されています。

ただしアブラムは主に召されるままに旅立ち(4節)、行く先々で祭壇を築いて礼拝する(7、8節)信仰の歩みを続けています。弱さある信仰者の歩みを通してでも、主は世界規模の救いを進展させられるのです。

【祈り】

主よ、私たちの信仰の歩みは危ういのです。それでもなお世界規模の救いを進展させる御業をたたえます。

大西 良嗣(宝塚教会)