洪水物語 ― 罪の世界と神の眼差し | 創世記 6-9章

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創世記 6-9章

「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 8章21節

洪水物語 ― 罪の世界と神の眼差し

6章から9章までの洪水物語は、人間の堕落によってもたらされた、被造世界への神の審判と再生の物語です。

地上に人は増え広がりましたが、常に悪いことばかりを思い計る人間の増加は、罪と悲惨の現実の拡大に他なりません。

神は人を造ったことを後悔します。人も家畜も空の鳥も「わたしが造った」と繰り返される言葉に、神の無念が表されます。

そのような神の悲しみをよそに、世界は堕落の一途を辿り、今や全く不法に満ちた場所となりました。洪水が起こる前から、世界は罪に沈んだのです。

その中でただ一人、主の恵みを受けたのがノアでした。彼は完全無欠な人間ではありませんが、無垢な心で神と共に歩む人でした。

洪水後の世界に再び動物が放たれた時、神はノアの子孫のみならず、すべての被造物と“平和の契約”を結ばれますが、人間が変わったわけではありません。人間の罪の性質は、洪水でも押し流すことができなかったのです。

それにもかかわらず、依然として罪に沈んだままの世界に、神の新しい救いの物語が始まります。

【祈り】

神様。この罪の世界をなおも保ち続けるあなたの悲しみと慈しみを深く覚えることができますように。

吉田 隆(甲子園伝道所)