最初の神殿を完成させた王ソロモン | 歴代誌下 5章

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歴代誌下 5章

ソロモン王は、主の神殿のために行われてきた仕事がすべて完了すると、父ダビデが聖別した物、銀、金、その他あらゆる祭具を運び入れ、神殿の宝物庫に納めた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 歴代誌下 5章1節

最初の神殿を完成させた王ソロモン

ソロモンが油注がれ、王とされた時、彼の目の前には為すべき神殿建設の事業が備えられていました。既に必要な物と人とを父ダビデが準備してくれています。土地も定められています。すべてのお膳立てがなされていて、ソロモンは建設開始の命令だけを出す状況にありました。が、その号令を出すソロモンには芽生える思いがありました。「神殿を建てようとするわたしは何者でしょうか」(2章5節)。神殿建設をダビデから引き継いだソロモンは併せて、神の御前に身を低く正すという麗しき賜物をも引き継いでいました。

神にふさわしい住まいを人間が造れるはずがありません。そのことを誰よりもよく弁えたソロモンは完成した神殿で祈ります。「どうか、あなたのお住まいである天から耳を傾け、聞き届けて、罪を赦してください」(6章21節)。神殿は、神にふさわしくない人間が、叫び、祈り、立ち帰る場だというのです。その時、「あなたの慈しみに生きる人々は幸福に浸って喜び祝うでしょう」(6章41節)という奇蹟が起きる場だというのです。

人間の貧しさを知り、神の慈しみを仰ぐ人を神は神殿建設者に召されたのでした。

柏木 貴志(岡山教会)