シャロームを気遣う | エステル記 2章

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エステル記 2章

モルデカイはエステルの安否を気遣い、どう扱われるのかを知ろうとして、毎日後宮の庭の前を行ったり来たりしていた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エステル記 2章11節

シャロームを気遣う

ワシュティ追放の後、家臣たちによって、妃探しが開始されます。国中から美しい女性がスサの町に集められ、その中から王妃が選ばれることになりました。時に、スサにモルデカイというユダヤ人の捕囚民がいました。彼はいとこエステルが両親を亡くしたので、彼女を引き取って、自分の娘として育てていました。王の命令によって多くの娘たちがスサに集められましたが、エステルもその美しさゆえに妃の候補者として宮殿に入ります。

モルデカイは彼女を宮殿に送り出しますが、彼女の「安否を気遣い」ました。「安否を気遣う」という言葉はシャローム(平和)を気遣うという言葉です。モルデカイは彼女の平穏無事だけを案じたのではありません。異教世界の宮殿に神を知る信仰者としてただ一人で赴く魂のシャロームを気遣った。また、ここから彼女を通して神が何をなされるのか、神のシャロームの御業を見定めようとしたのです。

彼女は侍従ヘガイの目にとまり厚遇され、王の前に出ます。他の娘たちのように特別な装いをすることはありませんでしたが、王はエステルを見初め彼女を妃とします。シャローム、平和があるように。

橋谷 英徳(関キリスト教会)