ひざまずかず、敬礼しない | エステル記 3章

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エステル記 3章

王宮の門にいる役人は皆、ハマンが来るとひざまずいて敬礼した。王がそのように命じていたからである。しかし、モルデカイはひざまずかず、敬礼しなかった。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エステル記 3章2節

ひざまずかず、敬礼しない

エステルが王妃となってほどなくして、宮殿ではハマンという人物が、王に重用され力を持つようになります。彼は、すべての大臣たちの上に席を定められます。やがて王宮にいる役人は皆、ひざまずいてハマンに敬礼するようにと命令され、それに従います。

ところが、ユダヤ人モルデカイだけはただ一人、ひざまずかず、敬礼もしません。「敬礼」と訳されている言葉は「拝む」とも訳される言葉です。このとき、モルデカイは、ハマンを神として拝むことを拒否しました。「あなたはわたしのほかに何ものをも神としてはならない」という第一戒の御言葉を生きずにおられなかったからです。

腹を立てたハマンは、モルデカイだけではなく国内に住むユダヤ人を絶滅しようと企み、王を説得して虐殺の日を定めるに至ります。こんなことになるならモルデカイは敬礼すればよかったのでしょうか。決してそうではありません。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」(使5章29節)。今もこの世の力、富や権力はいつも私たちにひざまずくことや敬礼することを求めてきます。しかし、私たちはそうしません。

橋谷 英徳(関キリスト教会)