エステル記 1章
ところが、王妃ワシュティは宦官の伝えた王の命令を拒み、来ようとしなかった。王は大いに機嫌を損ね、怒りに燃え、経験を積んだ賢人たちに事を諮った。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エステル記 1章12節~13節
この神なき世界に
橋谷 英徳(関キリスト教会)
ところが、王妃ワシュティは宦官の伝えた王の命令を拒み、来ようとしなかった。王は大いに機嫌を損ね、怒りに燃え、経験を積んだ賢人たちに事を諮った。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エステル記 1章12節~13節
橋谷 英徳(関キリスト教会)
2021年9月の聖書日課をまとめて表示します。
「エステル記」の聖書日課をまとめて表示します。
橋谷 英徳が担当した聖書日課をまとめて表示します。
ペルシアの帝国に生きるユダヤ人の少女が王妃となって同胞を絶滅の危機から救う物語、それがエステル記です。
物語はペルシアの王、クセルクセスの時代に宮殿で開かれた酒宴の場面から始まります。7日目、宴会の最終日のことです。酒に酔った王は王妃ワシュティを宴会に召し出します。彼女の美貌によって、自らの権勢を誇示しようとしたのです。ところが王妃は命令を拒否してしまいます。王は怒り、賢人たちに諮った結果、王妃は宮殿から追放され、新しい妃が立てられることになり、勅令が出されます。
横暴で身勝手な王のふるまい、賢人たちの愚かな助言が目につきます。王妃だけではなく、女性たちは軽んじられ、差別されています。人が人として重んじられていません。このような人の愚かさの中で、遠く離れた異教社会にあって、しかし神が生きて働いておられることを覚えたいと思います。
エステル記には「神」という言葉はひと言も語られません。しかし、「神」という言葉を用いないで神の支配が証しされています。神なき世界に思われる今の時代にも神は生きて働いておられます。