羊飼いの愛 | 詩編 23編

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詩編 23編

命のある限り
恵みと慈しみはいつもわたしを追う。
主の家にわたしは帰り
生涯、そこにとどまるであろう。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 23編6節

羊飼いの愛

「追う」という言葉と「帰る」という言葉は対応関係にあります。主の恵みと慈しみがいつもわたしを追ってくる。だから、わたしは主の家に帰らざるを得ない。そのように詩人はうたいます。

つまり、自発的にそこに帰って行くというのではない、帰らされるのです。主の家に連れ戻されるのです。なぜなら、羊飼いの愛、羊のために命を捨てるほどに強く、深く、激しい愛が羊を追い立てるからです。

羊たちは羊飼いのもとで生きるべきでした。主の家に身を置いて生きることが、彼らの幸いであったはずでした。しかし、羊たちはめいめいに羊飼いを離れた。そのことを最も悲しみ、苦しんだのは羊飼い御自身でした。

まことの羊飼いイエス・キリストは、羊たちが御自分のもとに帰って来るように、御自身の命を捨てられました。羊たちを罪と死から救い出すために、羊たちの身代わりとなって打ち砕かれ、刺し貫かれてくださったのです。

この大いなる愛にうながされて、羊は羊飼いのもとに帰って来ざるを得ないのです。生涯、主の家にとどまる。そこに羊たちの喜びがあります。

木下 裕也(岐阜加納教会)