愛とは | コリントの信徒への手紙一 13章1-7節

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コリントの信徒への手紙一 13章1-7節

愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 コリントの信徒への手紙一 13章4節

愛とは

私はかつて、愛というものを、ケーキの様な、甘く柔らかくて、ふんわりとした、スイートなものだと思っていました。

けれども、聖書が語る愛は、いきなり「愛は忍耐強い」という言葉で始まっています。ここにはスイートのかけらもありません。ねたまない、自慢しないとありますが、ねたまない愛などあるのでしょうか。愛があるからこそねたみ、自慢したくなるのではないでしょうか。しかし、それらのことすべては、聖書が語る愛においては否定されています。

森有正という哲学者は、「愛はその本性から言って悲劇的なものである」と言います(『森有正エッセー集成5』ちくま学芸文庫)。そこで主イエス・キリストの十字架が考えられていることは明らかです。

この御言葉にある愛は、主イエス・キリストの十字架にこそ見いだせます。自分の幸福などみじんも考えない、もう自分のことなど頭になく、相手の幸福しか見えない。そういうがむしゃらさで、御自分のすべてを、その命をもささげ尽くしてくださる主イエス・キリストの愛。愛とは何か。この問いへの答えが、ここにあります。

吉岡 契典(神戸改革派神学校)