オンリーワンのその先へ | コリントの信徒への手紙一 12章1-11節

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コリントの信徒への手紙一 12章1-11節

すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。一人一人に、“霊”の働きが現れるのは、全体の益となるためです。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 コリントの信徒への手紙一 12章6節~7節

オンリーワンのその先へ

「ナンバーワンよりオンリーワン」とよく言われます。しかし、それでよいのでしょうか。それぞれが自分のオンリーワンをぶつけ合うだけになってしまうのなら、そこに調和は成り立ちません。

パウロが向き合っていたコリント教会は、実はそんな状況だったのかもしれません。それぞれが、自分の賜物を誇り合っていたのでしょう。

聖書は、パウロの言葉を通して、みんなが一人ひとり持っている違いの根本にあるのは神の霊であること、さらにそれぞれに神から与えられている違いの目標までをも、示しています。その目標とは、キリストの体としての「全体の益となるため」という一つのことです。

私がオンリーワンである目的は、ただ自分色の花を咲かせるためなのではありません。それは全体の益のためです。私たちそれぞれの個性や賜物、働きは、それぞれが自己実現して一人で輝くためにあるのではなく、豊かに組み合わされて全体の必要を満たすためにこそあります。そして全体を生かすために自分を用いるとき、そのように生きられた主イエスの後ろ姿が見えるのです。

吉岡 契典(神戸改革派神学校)