生きている者は生きておられる方に | サムエル記上 28章

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サムエル記上 28章

サムエルは言った。「なぜわたしに尋ねるのか。主があなたを離れ去り、敵となられたのだ。…主はあなたのみならず、イスラエルをもペリシテ人の手に渡される。…」
サウルはたちまち地面に倒れ伏してしまった。サムエルの言葉におびえたからである。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記上 28章16節、19節、20節

生きている者は生きておられる方に

ペリシテ人がイスラエルと戦うために軍を集結しました。それを見たサウルは、自分は神に捨てられたという意識とダビデが敵軍にいるという事実により恐怖を覚えていたようです。これまでは、神に捨てられても預言者サムエルがいました。彼は、いつでも具体的な指示を与えてくれました。しかし、その頼みの綱であったサムエルが死んでしまいました。神からの語りかけの手段を失ったサウルは、霊媒にすがるという罪に走ってしまいます。

霊媒や口寄せは全く異教のものであり、神はこれを忌み嫌われます。これを求める者は汚れた者であり、石で撃ち殺されなければなりませんでした(レビ19章31節、20章27節参照)。

神に禁じられた方法を通して語られる言葉は、死の言葉です。サウルは死者に尋ねることによって、今聞かされる必要のない自分と息子たちの死や戦いの敗北まで聞かされることになります。

生きている者のためには、死んだ者の霊にではなく、生きておられる方に尋ねなくてはなりません。神の言葉は命の言葉です。私たちは、この言葉に聴きましょう。

小澤 寿輔(ウェストミンスター日本人教会)