苦しみを共にする交わり | フィリピの信徒への手紙 4章10-23節

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フィリピの信徒への手紙 4章10-23節

それにしても、あなたがたは、よくわたしと苦しみを共にしてくれました。
フィリピの人たち、あなたがたも知っているとおり、わたしが福音の宣教の初めにマケドニア州を出たとき、もののやり取りでわたしの働きに参加した教会はあなたがたのほかに一つもありませんでした。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 フィリピの信徒への手紙 4章14節~15節

苦しみを共にする交わり

パウロの伝道者としての生涯は、苦しみの連続でした。むち打たれ、投獄され、難船し、飢え渇きを覚え、経験してきた苦労は数えきれないほどでした(2コリ11章)。パウロはフィリピにおける伝道の時にも投獄され、この手紙を記しているときも牢獄の中にいました。数々の苦難を通ってきたパウロにとって、フィリピの教会が、自分と苦しみを共にしてくれたことが大きな慰めとなっていたのです。

具体的には、献げものを通して、共に伝道の働きに携わってくれたことを「苦しみを共にしてくれた」と言っています。

パウロは、どの教会にも経済的負担をかけないように働いた人でした。自ら献金を募るようなことはなかったでしょう。それでも、フィリピの教会だけが自発的に献げものをして、支えてくれたのです。パウロにとって、その贈り物は単なる経済的な支援ではありませんでした。それ以上に大きな助け、慰めとなったのです。

苦しみを共にする交わりは、喜びや慰めをも共有します。兄弟姉妹たちが共に苦しみ、共に喜ぶところに、真の教会が建つのです。

小橋口 貴人(那加教会)