和解の福音 | エフェソの信徒への手紙 2章

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エフェソの信徒への手紙 2章

実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、…十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エフェソの信徒への手紙 2章14節~16節

和解の福音

ユダヤ人と異邦人との間に「敵意という隔ての壁」がありました。それは異邦人が神の戒めである律法を知らず、割礼の儀式などを実行しなかったからです。それゆえに、ユダヤ人は異邦人を軽蔑していました。

しかしながら、主イエスは十字架を通して敵対する者同士を神のもとに一つに和解させ、敵意を滅ぼし、平和の福音を告げ知らせました。キリストの十字架によって「敵意」が取り除かれたのです。私たちもまた自分とは異なる他者に対して敵対心や敵意を時に抱いてしまうものです。人間の罪深さがそこによく表れていることを認めないわけにはいきません。

聖書が意味する平和とは非常に幅の広い、また含蓄に富むものですが、敵対し、対立しあう者同士の間の「敵意という隔ての壁」が取り除かれること、これが平和という言葉の意味の一つです。私たちが抱くべきは他者に対して寄り添う思い、他者を受容し共感する姿勢、そして隣人愛の実践でありましょう。敵意の壁を壊し、真の平和を実現させるものこそ主イエス・キリストの十字架において示された神の愛なのですから。

豊川 慎(宣教と社会問題に関する委員会)