ヨブ記 14章
どうか、わたしを陰府に隠してください。
あなたの怒りがやむときまで
わたしを覆い隠してください。
しかし、時を定めてください
わたしを思い起こす時を。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヨブ記 14章13節
せめぎ合う神への思い
柏木 貴志(岡山教会)
どうか、わたしを陰府に隠してください。
あなたの怒りがやむときまで
わたしを覆い隠してください。
しかし、時を定めてください
わたしを思い起こす時を。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヨブ記 14章13節
柏木 貴志(岡山教会)
2016年4月の聖書日課をまとめて表示します。
「ヨブ記」の聖書日課をまとめて表示します。
柏木 貴志が担当した聖書日課をまとめて表示します。
ヨブは、その心を死の彼方へと向かわせながら、自身の内にある神への二つの思いをせめぎ合わせています。
ヨブは一方で見つめています。神は、理不尽にも思える激しい怒りを燃やされ、災いをくだされるお方であることを。神への恐れ、畏怖の念。それがヨブの信仰の根底にあります。しかし、他方でヨブは捨てきれません。神は愛のお方であるということを。神は怒りを燃やされながら、その最中にも自身で造られた人間を守り、やがて怒りを静めてくださる方であることを。どちらが本当の神であられるのか。怒りを暴発される神か。それとも、自分という小さな存在をも忘れられない、優しく愛深き神か。ヨブは、死の彼方の世界を隠れ家のようにして、神の本当の姿を見極めたいと願います。
私たちにも、依然として、神の御業が不可解に見えることがあります。しかし、主の十字架を見つめる私たちは知っています。神の怒り、裁き、そのすべての御業の基に、人間への果てしなく大きな愛があることを。私たちは、その愛を、地上においても、死の彼方においても全身で浴び、生かされていきます。