歴史を振り返る | 申命記 1章

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申命記 1章

主はわたしに言われた。「彼らに言いなさい。攻め上って戦ってはならない。わたしはあなたたちのうちにいない。敵に撃ち破られてはならない。」わたしはそう伝えたが、あなたたちは耳を貸さず、主の命令に背き、傲慢にも山地へ上って行った。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 申命記 1章42節~43節

歴史を振り返る

イスラエルの世代交代を前にして、モーセが懇切丁寧に解き明かした神の言葉が、この『申命記』にまとめられています。はじめにモーセは神の民と共に荒れ野を旅してきた道程を振り返って語りかけます。

イスラエルの信仰はその歴史と深く結びついています。歴史を振り返ることで重要なのは、そこに神の救いの業を確認して、神への信頼と忠誠とをいつも新たにすることです。そしてまた、そこでの民の躓きを反省して、同じ過ちを繰り返さないように自戒することです。都合の悪いことは思い出したくないのが人情かもしれませんが、そうしたごまかしが何の意味もないことをイスラエルは知っています。歴史の真実から目を背けることは人間の愚かさに過ぎず、神の御前にとぼけても何の益もありません。歴史を反省し悔い改めて歩むところでこそ、明日への道は開かれます。

モーセの言葉は私たちに信仰の目で振り返るように促します。その時、神が先頭を進まれた救いの道と、神が背負ってくださった人生の歩みが、私たちの過去に未来に見えてきます。

牧野 信成(長野佐久伝道所)