平和と葛藤 | サムエル記下 20章

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サムエル記下 20章

「わたしはイスラエルの中で平和を望む忠実な者の一人です。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 20章19節

平和と葛藤

北の10部族が構成するイスラエルと南部で力を持つユダとの葛藤は長く続いてきました。アブサロムの反乱も北のイスラエルの支持があったからです(15章10節)。

ここに記されるシェバの反逆も、ダビデ王の統一にもかかわらず、根強くあったイスラエルとユダの対立を物語っています。ヨアブがアブサロム軍の将軍であったアマサを殺害したのも、アマサの動員の遅延の理由として、イスラエルとの結びつきを疑ったからではないかと推測できます。

ダビデ王国はいつもこの分裂の危険性を含んでいました。シェバは「ならず者」に過ぎません。しかもベニヤミンの出身です(1節)。しかし、彼のまわりには、イスラエルの優秀な兵士が集まってきます(14節)。背景にはこの亀裂が反映しているでしょう。

一見して統一され、すべて調和しているようであっても、恐れと慎重さ、何よりも信仰が欠けているところでは、たとえ教会であっても内側に分裂の兆候をはらんでいます。そのことに、私たちは注意深くなって、なり過ぎることはありません。いつも神の憐れみのもとに一致を祈り求めましょう。

金田 幸男(西谷伝道所)