
牧野信成(長野まきば教会牧師)
メッセージ:「選ばれし者 The Chosen」~タマル
おはようございます。長野まきば教会の牧野信成です。
ドラマ「The Chosen 選ばれし者」(Netflix)には、福音書に出てこない人物も多く描かれています。それは、行間を読む作業をしているからです。
例えば、マルコによる福音書2章には、イエスが「中風の人をいやす」記事があります(マルコ2:1-12参照)。4人の男性が彼を屋根からつり降ろして、イエスのもとに届け、イエスは、その人たちの信仰を見て、彼を癒されたとあります。
この箇所を教会の説教で取り上げた時に、私の連れ合いは、「この友人たちは女性であったのではないか」と言いました。聖書の記事には「四人の男性」と書かれているので、不思議な読み方だと思いましたけれども、このドラマでは、タマルという一人の黒人女性が命じて四人の男性に運ばせた、という設定になっています。そして、この奇跡を体験した彼女は、イエスの重要な弟子の一人となります。
「聖書とは違う記述では困る」というネットのコメントを見ましたが、そうではなくて、聖書のままでしたら、そのまま読めばいいわけです。それをどう解釈するかが映像化の醍醐味、と言えるでしょう。ユダヤの伝統によりますと、「新しい読み方を加えない聖書解釈には価値は無い」とされます。その意味を、キリスト教会もよく考えた方がよいでしょう。
本が読まれない時代にあって、このドラマ「The Chosen」は、イエスとその弟子たちの交流を通して、福音書本来のメッセージを鮮烈に示すことのできる道具として、これからも重宝されることでしょう。
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