8月14日(木) エゼキエル27章
「漕ぎ手がお前を大海原に漕ぎ出したが、東風がお前を打ち砕いた、海の真ん中で。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』エゼキエル書27章26節
ティルスはエルサレムの滅亡によって、その利益が自分に回って来ることを喜んでいました。けれども、その喜びは長くは続きません。
ここでは、比べ得るもののないティルスの美しさが、豪華に造られた商船にたとえられています(4〜10節)。その姿は自ら「美しさの極み」と称するほど繁栄の絶頂にありました。世界中の富が交易品としてティルスを介して行き交っていました(11〜24節)。にもかかわらず、その豪華な商船ティルスは大海原の真ん中で東からの暴風にあおられ、そのすばらしい富、商品、船乗り、戦士もろとも、沈没してしまうのです。その東風とは、バビロン軍の攻撃を表しています。かつてエルサレムを嘲ったティルスには、同じ命運が待っていたのです。
ティルスは、自分だけが豊かになったのではありません。「お前は海を超えて商品を輸出し…豊かな富と産物で、地上の王たちを富ませた」とも語られています(33節)。この意味では、商業の正道を行っていました。しかし、不思議なほどに、どこにもティルスが神に栄光を帰したことを示す言葉はありません。
すべてのものは神が与えてくださいます。世の富は、与えられたものとして感謝し、謙虚に受け止め、神のために用いたいと思います。
【祈り】
与えられたすべてのものを、あなたのために用いさせてください。