あさのことば

剣を鞘に納めなさい~「アウシュヴィッツ生還者からあなたへ」より~

放送日
2025年7月18日(金)
お話し
高内信嗣(銚子栄光教会牧師)

高内信嗣(銚子栄光教会牧師)

メッセージ:剣を鞘に納めなさい~「アウシュヴィッツ生還者からあなたへ」より~


 おはようございます。千葉県の銚子栄光教会で牧師をしています、高内信嗣です。
 
 第二次世界大戦下の証言者が少なくなってきました。リリアナ・セグレさんという、アウシュビッツ強制収容所へ送られ、生還したユダヤ系イタリア人の方がいます。2021年に、日本語訳で証言録が出版されました(リアナ・セグレ著、中村秀明訳「アウシュビッツ生還者からあなたへ 14歳、私は生きる道を選んだ」)。

 セグレさんは、アウシュビッツ強制収容所だけでなく、いくつかの収容所を転々とさせられた後、マルヒョー収容所に移されます。所長が、セグレさんのすぐ近くを歩いていました。いつも鞭を振るう、冷酷で残忍な人だったそうです。その所長がすぐ近くで、着替えをはじめ、拳銃を地面に置いたのです。

 セグレさんは、自分をこんな目に遭わせたナチスを恨んでいました。復讐の機会を熱望していました。拳銃を手に取り、引き金を引くことができる状況でした。しかし、その瞬間、セグレさんは気づいたのです。私は、どんなことがあっても人を殺すことはできない。その選択をした瞬間、彼女は、「平和の世界に戻ることができた」と語っています。
 
 聖書の中で、このような言葉があります。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。」(マタイ26:52) これは、イエス・キリストのお言葉です。「剣を取る者は皆、剣で滅びる。」イエス様は、人間に対抗する力を持ちながらも、その力を用いませんでした。さらに、十字架に架かるということで、ご自身をささげられたのです。

 イエス・キリストが平和を望んでおられるということが、その生涯から示されています。今も世界で戦争が続く中で、私たちは無力を覚えます。でも、世界を見つめる神様、そしてイエス様は、平和を望んでおられるお方です。神様の御心に思いを向けて、今日も、平和のために祈る者でありたいと思います。

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