リジョイス聖書日課

士師記4章 無茶に思える想像を超えたストーリー

放送日
2025年5月16日(金)
お話し
吉岡 契典(神戸改革派神学校教授)

5月16日(金) 士師記4章

「わたしも一緒に行きます。ただし今回の出陣で、あなたは栄誉を自分のものとすることはできません。主は女の手にシセラを売り渡されるからです」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』士師記4章9節

4章では、女預言者デボラが先頭に立ちます。絶対的男性優位のこの時代に、女性が明確に預言者として立てられていることはまれです。デボラは、裁判官のような役割を担って、それによって民のリーダーとして物事を裁いていたようです。

 この時代のイスラエルは、カナンの王ヤビンの支配下にあり、家臣には、豪傑な将軍であったシセラがいました。ヤビン王は九百両という法外な数の戦車を有しており、誰もその軍事力に対抗できる者はいないと見られていました。

 その中で、女預言者デボラは主から託宣を受けて、バラク王を呼び寄せ、共にヤビン王の将軍シセラと、その軍勢を戦車もろとも滅ぼすという預言を語りました。

 そして神は、この戦いが御自身の戦いであることを示すために、勝利の栄光をバラク王にではなく、徹頭徹尾、女性の手にお与えになります。

 デボラの預言のとおり、将軍シセラのこめかみに鉄のくいを打ち込んだのも、ヤエルという女性でした。豪傑なシセラが、毛布にくるまって熟睡している間に、女性にこめかみを打ち抜かれるなど、誰も想像できないことでした。神の描かれる筋書きは、私たちの想像を超えていくものなのです。

 【祈り】

 きょうのわたしの歩みの中に、わたしの想像を超えた神の御業があらわされますように。