小宮山裕一(綱島教会牧師)
メッセージ:ともに悲しむ人がいる幸い
おはようございます。今日も一日、あなたの上に平和がありますように。
小宮山裕一です。
今週は、聖書の「ルツ記」という書物から、私たちがどのように苦しみを乗り越えるのかを御一緒に考えたいと思います。
夫と息子を亡くして、悲嘆に暮れていたナオミ。そのナオミの側には、「ルツ」という嫁がいました。ルツは、ナオミが外国で生活をしていたときに、ナオミの息子と結婚したので、ナオミが故郷に帰ろうとしたとき、ルツには地元に残るように、と説得したのですが、ナオミは、ルツと一緒にナオミの故郷にやってきます。
「ルツは言った。『あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。わたしは、あなたの行かれる所に行き お泊まりになる所に泊まります。あなたの民はわたしの民 あなたの神はわたしの神。』」(ルツ1:16)
ルツがナオミについて行ったのは、ただ単に夫の母だから、というのではなく、ルツとナオミが同じ神を信じていたから、ということも大きかったでしょう。ルツとナオミは二人でしたが、彼らの真ん中には神がいて、この二人を支えていたのです。
ルツもまた、夫を亡くした女性です。この神に、ルツもナオミも支えられ、悲しみや孤独を自らの心で受け止め、共に苦しみながらも、未来への希望を信じ続けたのです。このようなルツの姿勢は、悲しみの中にある者が、ただ孤独に沈むのではなく、身近な人との温かな絆を通して心が癒されていく。この大切さを教えているのではないでしょうか。