佐野直史(国立聖書教会牧師)
メッセージ:悪を善に変えてくださるお方
おはようございます。国立聖書教会の牧師、佐野直史です。
聖書の中には、神様がすべてのものを造られたことが記されていますが、それだけではなく、永遠のご計画に従って、今もそれを保ち、治めておられることが書かれています。これを、神の「摂理」の働きと言います。
私たちがこの世界を生きる時、神の摂理による守りを信じながらも、「どうしてこんな悪いことが起こるのか。どうして自分にだけこんな辛いことが…」と思うことがあるかもしれません。旧約聖書に登場する「ヨセフ」という人も、苦難と共にあった信仰者の一人でした。
彼は、ヤコブの年寄り子で、12人いる兄弟の中で、誰よりもお父さんに愛されたため、お兄さんたちから憎まれ、エジプトに奴隷として売り飛ばされてしまいました。また、エジプトでもさらなる苦難が待ち受けており、彼は、涙と共に人生を送った人であったのだと思います。けれども、神様は、いつもヨセフと共におられ、その歩みを助け導いてくださいました。そして、彼は、エジプトの総理大臣にまでなり、全世界が飢饉に苦しんでいた時、人々を助けるために活躍したのです。
彼は後に、兄たちの前で、自分の人生を振り返り、次のように語りました。「あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです。」(創世記50:20)ヨセフは、神様が兄たちの企んだ悪を善に変え、大いなる救いをもたらすために、自分の歩みを守り、導いてくださったことを語ったのです。
神様はそのように、苦難の中にあっても、私たちと共にいてくださる御方です。悪を善に変え、私たちの人生の苦しみと涙とを、いつの日か、意味のあるものへと変えてくださる御方なのです。