石川亮(芸陽教会牧師)
メッセージ:出会い~イエスとパウロ
【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。高知県安芸市本町2丁目、森澤病院裏手にある芸陽教会牧師、石川亮です。
2月も最後の週になりましたので、私の担当は、今週が最後になります。今朝も皆様と共に、御言葉の恵みから喜びと平安に満たされて、3月へと向かう歩みを始めたいと願います。
今月は、神様と人との出会いにかかわる聖書の物語から、恵みを受けてきました。神と人との出会いにおいて印象深い人物として、モーセとパウロをあげました。今週は、パウロを取り上げます。
イエス様と出会う前のパウロは、サウロと名乗っていました。彼は、ユダヤ教ファリサイ派の期待のホープであり、キリスト教会を激しく迫害する人でした。彼は、家から家へと押し入って教会を荒らし、多くの人を牢屋へと送ります。このとき、サウロの手から逃れた教会の人たちは、福音を宣べ伝えながら逃げていきます。その結果、厳しい状況の中でも、主を信じる者が増えていきます。
サウロは、キリスト教会の迫害の手を緩めることなく、殺そうと意気込んで、ダマスコへ向かいます。彼が激しくキリスト教会を迫害する理由は、律法を厳格に守り、熱心に神に仕えることを重要視する、ファリサイ派の人だからです。彼は、律法を厳格に守り、心から神に仕えることで、神の民として生きていくことこそ、永遠の命に至る道であることを確信していたのです。その確信によって、彼は、キリスト教会の迫害へと思いを向けられたのです。
ダマスコへと向かう彼の心の中は、自分は神のために間違った人たちを捕らえるのだ、という気持ちで一杯だったはずです。そんなサウロの周りに、天から光が差し込みます。倒れた彼に、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」(使徒9:4)と呼びかけます。この声にサウロは、「主よ、あなたはどなたですか」(使徒9:5)と言います。
主は、「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。 起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」(使徒9:5-6)と言われます。サウロは起き上がることができず、視力も失っていました。そんな彼のところへ、主イエスから遣わされたアナニアが来ます。彼は、サウロの上に手を置きます。すると、サウロの目からうろこのようなものが落ち、彼の視力は回復します。そしてアナニアは、サウロに洗礼を授けるのです。
主イエスを信じたサウロは、パウロと名乗るようになり、それまでの人生とは180度違う、イエス・キリストの名を伝えるという歩みを始めます。イエス様と出会ったことで、彼は、これまで憎んできたイエス様の名を伝えるために、命を懸けて、パレスチナ、地中海を越えて、ローマ、そして、今のスペインまで行ったと言われています。キリスト者の命を奪うことに熱心であったパウロは、永遠の命に生きる道を伝える伝道者へと、死に向かう人生から命へと向かう人生に変えられたのです。
私の人生も、死へ向かうだけのものでした。しかし、主イエスと出会うことで、永遠の命に至る道を歩むようにされました。大切なものを見るための視力が回復したゆえに、人は、今まで見えなかった本当の希望を見て、主イエスと共に生きる人生を歩むことができるようにされます。主を信じ、主と共に生きる人生は、主イエスによって、失望することなく、本当の意味で豊かにされるものなのです。私たちを豊かにするために、主は、十字架の上で死なれたのです。
主イエスが、今日、今この瞬間、ラジオを通して、あなたと出会い、本当の希望と永遠に至る道へと導いてくださることを心から願っています。
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