神に滅ぼされたエルサレム | エレミヤ書 39章

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エレミヤ書 39章

カルデア人は、王宮と民家に火を放って焼き払い、エルサレムの城壁を取り壊した。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エレミヤ書 39章8節

神に滅ぼされたエルサレム

およそ1年半にわたる包囲の後、エルサレムの城壁の一角が破られて、バビロニア軍による都の蹂躙が始まりました。ゼデキヤ王は夜中に従者たちを連れて死海方面のエリコに下って逃れようとしましたが、ついに逮捕されてバビロンの王の前に引き出されました。王に対する裁きは厳しく、目の前で息子たちを殺された上、両目をつぶされて、奴隷のような扱いでバビロンに連行されました。都は王宮も民家も焼き払われて、都を守る堅固な城壁も破壊されてしまいました。古代における最初のホロコーストがこうして実現した、とユダヤ教の歴史では説明されます。

エレミヤはこの壮絶な敗戦の目撃者でした。彼はバビロニアからは厚遇されて、王の監視下からついに解放されて家に戻ることができました。エレミヤを救助したエチオピア人エベド・メレクもまた主を信じて生きながらえることができました。

神が選んだ都エルサレムはこうして歴史の中で滅び去ります。神の恵みを忘れておごり高ぶった結果でした。その痛恨の思いを忘れずに歴史を書き留めようとしたのが聖書でしょう。罪深い人間とそれでも人間を愛してやまない神との間の歴史が今日の私たちにも語りかけます。

【祈り】

主よ、悔い改めるのに遅い私たちに聖霊の清めと歴史に目を注ぐ判断力とをお与えください。

牧野 信成(長野まきば教会)