試みの中で問われる主なる神 | 創世記 34章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

創世記 34章

シケムの父ハモルがヤコブと話し合うためにやって来たとき、ヤコブの息子たちが野から帰って来てこの事を聞き、皆、互いに嘆き、また激しく憤った。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 34章6節~7節

試みの中で問われる主なる神

ヤコブは兄エサウと和解し、カナン地方にあるシケムの町に天幕を張って住みます。しかし、彼はここで新たな信仰の試みを経験します。

ヤコブの娘ディナが、その土地の首長ヒビ人ハモルの息子シケムによって辱めを受けたのです。ヤコブもこのとき、心に深い傷を負い、帰ってきた息子たちと共に嘆きます。

ハモルとシケムは、ディナを嫁として迎えたいこと、結納金や贈り物を望むままに差し上げること、ヤコブ一行をその土地に迎えることを提案します。一見、誠実な対応に見えるかもしれません。しかし、ハモルの提案には、自分たちのしたことへの罪の悔い改めはありませんでした。

ハモルとその一族は、ヤコブの息子たちの謀略によって殺されます。しかし、今度は息子たちの報復が止まりません。平和のうちにいた町の人びとにも手をかけます。父の言葉も届かないほどに、息子たちは憎しみに囚われていました。

赦しの連鎖は難しく、憎しみだけが強く連鎖していきます。今も世界を覆う罪の悲し現実です。その中にあって、私たちの拠り所は、神の憐れみです。試みの中で負った心の傷も、悲しみも、すべてを受け止めてくださる神の憐れみこそが、罪の連鎖を断ち切る希望です。

【祈り】

試みの中で、主イエスを通して示してくださった、あなたの憐れみを思い起こさせてください。

長谷部 真(堺みくに教会)