神の前に人は無力である | ナホム書 2-3章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

ナホム書 2-3章

ニネベは、建てられたときから
水を集める池のようであった。
しかし、水は流れ出して
「止まれ、止まれ」と言っても、だれも振り返らない。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ナホム書 2章9節

神の前に人は無力である

2章、3章には、アッシリア帝国の首都ニネベが外国の軍隊によって攻め落とされ、滅亡するときの混乱状態が描かれています。「ニネベは、建てられたときから水を集める池のようであった」とは、全世界から人と財宝が集まってきたということです。しかし、その水は流れ出してもはや止めようがなく、だれも振り返らない有様です。たとえ人間的には力と繁栄を誇ろうとも、神の裁きの前にそれらには何の力もありません。

ナホムの預言から20年もたたない紀元前612年、ニネベが陥落し、アッシリアは滅亡しました。その破壊は徹底的なもので、ニネベは、その場所も忘れ去られ、伝説上の町だと長く考えられていたそうです。その後、19世紀に廃墟が発見され、図書館が発掘され、今日、聖書の知識を補うことができるまでになりました。

宗教改革者のルターは、ナホム書についてこう書いています。「この書は、我々に神を信頼すること、とりわけ我々が人間の助け、人間の力と忠告のすべてに対して絶望しているときに、神がご自身の民の傍らにおられ、敵がどれほど力に満ちていても彼らのあらゆる攻撃からご自身の民を保護されるのだと信じることを教えている」。ナホム書は、神の裁きを告げると同時に神の憐れみの大きさを私たちに示しています。

【祈り】

ただ主の憐れみに依り頼み、あなたの御前に立ち帰らせてください。

望月 信(鈴蘭台教会)