慈しみ深い神への賛美 | 詩編 138編

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詩編 138編

わたしが苦難の中を歩いているときにも
敵の怒りに遭っているときにも
わたしに命を得させてください。
御手を遣わし、右の御手でお救いください。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 138編7節

慈しみ深い神への賛美

詩人は、主の慈しみと真実のゆえに、祈りを聞いてくださる主なる神の御名を、心から賛美します(1~3節)。

イスラエルの民は、大国同士の覇権争いの中で、祖国の滅亡と捕囚、そして解放を経験する、弱い民として生きていました。覇権を握り、一時代を築いた大国が滅ぶ姿、代わりに別の大国へと覇権が移る姿を詩人は目にします。

詩人は、高くおられ、真に世に眼差しを向ける、主なる神の支配を覚えて賛美します(6節)。苦難の中を歩くときも、敵の怒りに遭うときも、主なる神は命を得させてくださるお方である、と詩人は歌います。その信仰は、預言者イザヤを通して示された救い主の姿です。「へりくだる霊の人と共にあり、へりくだる霊の人に命を得させ、打ち砕かれた心の人に命を得させる」(イザ書57章15節)。

詩人の祈りに、主なる神は応えてくださいました。高くおられた独り子イエス・キリストは、打ち砕かれ、低くされた者のもとに降りてきてくださり、人の心に命を得させてくださいました。小さな信仰者の歩みに伴い、命を得させる神が、きょうもあなたと共におられます。

長谷部 真(堺みくに教会)