苦難の中で | 詩編 120編

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詩編 120編

都に上る歌。
苦難の中から主を呼ぶと
主はわたしに答えてくださった。
「主よ、わたしの魂を助け出してください
偽って語る唇から、欺いて語る舌から。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 120編1節~2節

苦難の中で

詩編120編から134編まで「都上りの歌」という表題がつけられています。一年の特別な日に、神を信じる外国在住の民が神殿を詣でるためにエルサレムに上る際の、巡礼の歌とされます。神の宮には神がいます。それこそがイスラエルの信仰の中心でした。そこは憧れの旅の目的地でした。神の現臨在を信じる信仰こそイスラエルを支えます。

そして、地上の神殿は天の神の国を指し示します。神を信じ、希望をもって生きるものは、御顔を直接拝することのできる朽ちない神の都を目指します。

しかし、そこへ安らかに行くことができるとは限りません。詩人は周囲の人たちの悪口雑言に直面しています。メシェクとケダル(5節)はそれぞれ黒海周辺とアラビアの砂漠に住む遊牧民の名です。ここでは特定の他国民ではなく、信じる神信仰の異なる民を象徴していて、詩人の、特に信仰心を嘲笑し、攻撃する人びとを指していると思われます。それでも神の民は主の臨在を目指します。

天への憧れが異なる信仰を奉じる人の批判を乗り越える力を与えます。

金田 幸男(西谷伝道所)