神のみもとで憩うこと | 詩編 90編

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詩編 90編

主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 90編1節

神のみもとで憩うこと

表題に「祈り。神の人モーセの詩」とあるのは、長年の災いを体験したとあるので、長生きしたモーセに違いないと考えたからでしょう。

印象に残るのは、詩人が3節以降で、「人生のはかなさ」を嘆いていることです。「人の子よ、帰れ」は、「立ち帰れ」という意味ではありません。「塵に返れ」という意味です。人間存在は死すべきもの、はかないものであるということが語られています。

永遠の神と比較すると、人間の人生は短く、「瞬く間に時は過ぎ」ます(10節)。「得るところは労苦と災いにすぎない」と言いたくなる気持ちも分かります。

しかしながら、人には慰めがあります。それが「主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ(住処)」という告白です。この言葉には背景があります。砂漠の族長が保護すると決めたら天幕内では誰も手出しできないというルールがありました。同じように、永遠の神に保護されるなら安全なのです。神の家なのですから、そこで永遠に憩うことを求めることは、空虚な夢ではなく、はかない私たちを大いに慰める希望です。

高内 義宣(津島教会)