死にて | ルカによる福音書 19章28-37節

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ルカによる福音書 19章28-37節

イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ルカによる福音書 19章30節

死にて

主イエス・キリストは死なれました。人なら誰もが死ぬように、キリストも人として死なれました。しかし、死は自然にあったものではなく、アダムが罪を犯すことによってこの世界に入ってきたものです。特に死には神との交わりの喪失という霊的な死があります。キリストは十字架の裁きにおいてその死の苦しみを味わい、そして肉体においても死なれたのでした。

しかし、主イエスはそこで「成し遂げられた」と言われました。それが救いの御業の成就であったからです。私たちは、このキリストの死によって命を得ました。霊的な死から神との交わりという命へと回復され、死の後の永遠の滅びをもまぬがれて、永遠の命の祝福にあずかることが約束されたのです。

この救いのために私たちは今、罪を悔い改め、古い自分に死ぬ必要があります。「キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなる」からです(ロマ6章8節)。そして、やがてこの肉体における死を迎えますが、キリスト者にとってそれはもはや恐れの時ではありません。永遠の命への入口という希望の時なのです。

石原 知弘(東京恩寵教会)