恥ずべき人間関係 | サムエル記下 11章

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サムエル記下 11章

「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰って飲み食いしたり、妻と床を共にしたりできるでしょうか。あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできません。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 11章11節

恥ずべき人間関係

聖書に記される人間の影の面の中でも、最も目を背けたくなるような事件が起こります。王の命令で民が戦っている最中、王自身は王宮で姦淫の罪を犯します。その上、姦淫相手の夫である自分の家臣を陥れて殺してしまいます。神をも、人をも裏切る行為です。

罪を犯したダビデ自身が厳しく責められなければならないのは当然のことですが、ここにもう一人の人物が関わっています。それは、王の将軍ヨアブです。ヨアブはダビデの姉の子で、ダビデの家臣の名が挙げられる時には常に筆頭に登場するほどのダビデの右腕でした。熱血漢で、親族を愛し、叔父であるダビデのためと思えばなんでもする人物でした。そんなヨアブでしたから、ダビデは罪の後始末を委ねたのかもしれません。ヨアブもダビデの罪を知りながら「ダビデのために」落ち度のない部下の命を奪ったのかもしれません。

しかし、この関係は、神の前で恥ずべきものでした。殺されたウリヤの、王や仲間への誠実さとは全く逆の不誠実な関係でした。神の御心に沿わない悪しき関係は不幸の原因となっていきます。

長田 詠喜(新所沢伝道所)