王家が崩壊してゆくなかで | サムエル記下 4章

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サムエル記下 4章

ダビデはベエロト人リモンの子レカブとその兄弟バアナに答えて言った。
「あらゆる苦難からわたしの命を救われた主は生きておられる。…自分の家の寝床で休んでいた正しい人を、神に逆らう者が殺したのだ。その流血の罪をお前たちの手に問わずにいられようか」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 4章9節、11節

王家が崩壊してゆくなかで

司令官アブネルの喪失は、サウル王家にこの上ない動揺をもたらしたことでしょう。雪崩を打つように王家は崩壊に向かいます。

行動を起こしたのは「ベニヤミンの民」である「二人の略奪隊の長」(2節)です。サウル軍の中核を担う重臣が謀反を起こしました。二人は変装をしたうえで、昼寝中の王の寝室に侵入。その首をはね、ダビデの地へと逃亡してゆきます。

王家に残されたもう一人の後継者は、両足が不自由で、王の任に耐えられそうにありません。戦いに行けないのです。ここに、サウル王家は崩れゆきます。

こうして、ダビデは自身では何も行動を起こさないまま、全イスラエルの王として立てられることになります。前半生が嘘のようです。かつては何をやってもサウルに疎まれ、うまくいきませんでした。それが今は何もかもがうまくいく。それは、ダビデが変わったからではありません。何も変わっていない。彼は主の御前に義を通し続けています。時が来ました。その歩みがようやく報いられる時が。それまで待ち続けたのです。

柏木 貴志(岡山教会)